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西東京市立谷戸第二小学校
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校長のつぶやき(令和5年度)3学期

更新日:2024年3月25日

3月25日(月曜日)

 本日は令和5年度の最後の登校日。谷戸第二小学校の卒業式の日です。

 昨年度までとは異なり、今年度からはコロナ禍前のように、5年生も式に参加します。そのため、5年生はいつも通りの時間に登校し、卒業生である6年生を迎える準備をします。会場や校内を清掃したり、入退場で演奏するための楽器の準備をしたり等、朝から一生懸命仕事をしてくれました。来年度の谷戸二小を支える最高学年として、今から頼もしく思える立派な活躍ぶりでした。

 そして、いつもより少し遅い時間に、本日の主役である卒業生が登校してきました。いつもは普段着の6年生の子供たちですが、今日はそれぞれの旅立ちを祝う門出の日ということもあって、スーツ、ブレザー、袴などで身を装う子供たち。友達同士、見慣れないお互いの姿に言葉を贈りながら、間もなく始まる卒業式に臨む気持ちを高めているようにも見えました。

 

 卒業式が始まりました。「卒業証書授与」では、卒業生の一人ひとりに卒業証書を手渡すことができました。子供たちの凛とした姿、精悍な顔つき、決意の表情…。6年間の小学校生活を通して立派に成長した子供たちの姿を間近で見ていると、胸にこみ上げてくるものがありました。


 そして、卒業生の呼びかけの言葉では、今までの学校生活の思い出やまわりの人達への感謝の言葉、未来に向かう決意の言葉が続きました。ひとつひとつの言葉をバトンを繋ぐように大事に呼びかける姿からは、卒業生の強い気持ちが感じられました。

 今年の卒業生が歌った曲は、RADWIMPSの『正解』。それぞれの進路へとはばたく卒業生にピッタリの歌詞が、私達の心にもダイレクトに響きました。(当日は教員によるサプライズもあったのですが…、ここではヒミツにさせていただきます。)

 


 6年生の皆さん。

 

 『正解』の歌詞にもありましたね。


「次の空欄に当てはまる言葉を 書き入れなさい ここでの最後の問い

 君のいない 明日からの日々を 僕は(私は) きっと(きっと)□□□□□ 
 

 制限時間は あなたの これからの人生

 解答用紙は あなたの これからの人生

 答え合わせの時に 私は もういない

 だから 採点基準は あなたの これからの人生」


 これからの人生の中で、それぞれの『正解』をゆっくり見つけてください。

 谷戸第二小学校の先生たちは、みなさんのことを、いつまでも応援しています。


 

 卒業おめでとう。


 そして…


「よーい、はじめ」

3月22日(金曜日)

 来週の月曜日に卒業式を迎える6年生、そして在校生代表で出席する5年生を除き、1年生から4年生までは、今日が今年度の最終登校日となりました。3学期は時間の経過が早く感じられ、あっと言う間に修了式の日を迎えることになったような気がします。
 昨年度まではオンラインで行っていた修了式でしたが、今年度は全校児童が体育館に集まり、一堂に会して行うことができました。2020年3月、コロナ禍のために日本中の小中学校が一斉に臨時休校となってから昨年度までの4年間は、全校児童が体育館に集まって行う修了式はできませんでした。そのため、今日のような参集型の修了式は、実に5年ぶりです。おそらく、最高学年の6年生以外は初めての経験だったのではないでしょうか。
 卒業式練習に参加していない4年生以下の学年の子供たちは、体育館壁面にある紅白幕や壇上の国旗や校旗等に興味津々でした。同時に、無意識のうちに厳かな雰囲気を感じ取ったのでしょう。修了式の間、おしゃべりをしたり、姿勢が乱れたりすることはなく、どの子も真剣な表情と立派な態度で式に臨むことができました。やはり節目の「儀式」をみんなで共有することは貴重な経験になりますね。

 修了式が終わり、卒業式の予行練習が始まるまでは、わずかな時間しかありません。1〜4年生までは本日で終了なので、私は急ぎ足で各教室をまわりました。どのクラスでも、担任の先生から子供たち一人一人に通知表を手渡している様子が見られました。また、転校してしまう子がいるクラスでは、涙を流しながら、お互いにお別れを伝え合っている姿も見られました。どの教室の中でも、この一年間たくさんのドラマが生まれ、感動を共にしてきたことだと思います。名残惜しむように教室にお別れを告げている子供たちの姿を見ていると、毎年のことではありますが、感慨深いものがあります。
 谷戸二小のみなさん。今年度も本当によく頑張りました。春休みはゆっくり休んでくださいね。新年度のみなさんの活躍にも期待しています。
 そして、6年生のみなさん。5年生のみなさん。25日の卒業式が、今年度の谷戸第二小学校の「最後の一日」です。月曜日もよろしくお願いします。

3月21日(木曜日)

「これから感謝の会を始めます。」

 4年生の子供たちが、総合的な学習の時間でお世話になった方々をお招きして、「感謝の会」を開いていました。年間を通して多くのゲストティーチャーの方と交流をしてきましたが、最後に感謝の気持ちを伝えたいということで、この会のアイデアが生まれました。子供たちはグループごとに演奏や劇の練習をしたり、けん玉やお笑い、ダンスを練習したり、お礼のプレゼントを作ったり等、この会に向けて一生懸命準備を進めてきました。感謝を伝えるパフォーマンスの形は様々でしたが、子供たちの気持ちは、きっと会場のお客様に届けることができたと思います。来年度のライブ・パフォーマンスでも披露してもらいたいくらい、高いクオリティの出し物ばかりでした。

 話は少し遡りますが、4年生は先日実施した「フードドライブ」でも、食料品を提供してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えようと、オンライン朝会で御礼を伝えていました。一年間の学習を振り返る際、自分たちの学びや活動を支えてくださった方々が大勢いたことに、子供たちは改めて気が付いたのだと思います。やってもらったこと、していただいたことに対して「礼」を欠かさない子供たち。立派です。


「あーあ、今日で給食が最後か・・・。」

「中学校に行っても谷戸二小の給食が食べたいな。」

 今日は、令和5年度の最後の給食の日。特別献立の「卒業お祝い給食」でした。卒業を間近に控えた6年生にとっては、谷戸二小で食べる最後の給食です。
 入学したころは、これから始まる給食が楽しみな反面、
「好きなものばかりだといいけど、きらいなものが出たらどうしよう…。」
「ぜんぶ食べ切れるかな?」
等々、不安に思っていた子もいたかもしれません。しかし、小学校生活の6年間で、子供たちの体はグンと大きくなり、心も逞しく成長しました。今では毎日にこにこ、ペロリと食べ切っています。食べ盛り、育ち盛りの子供たちですから、中学校に行っても給食をモリモリ食べ続けてほしいと思います。(私は今でも、モリモリバクバク食べ続けていますが…)

 そして、しばらくすると…
「やったー!今日はアイスがあるーっ!」
 デザートのアイスの登場に、6年生だけでなく、あちこちのクラスで歓声が沸いていました。子供たちは今年度最後の給食を、思う存分味わったことでしょう。
 給食づくりに関わってくださっている全ての皆様。今年度も安全で美味しい給食をありがとうございました!

3月19日(火曜日)

 多目的室の前を歩いていると、良い香りが漂ってきました。教室の中を覗いてみると、3年生が一生懸命「石臼」を回しています。総合的な学習の時間で育てた大豆を、石臼でひいて「きなこ」を作っているところでした。
「校長先生!教室中、きなこのいい香りがするでしょ?」
「少し食べてみてもいいよ。おいしいから!」
 ゴリゴリと石臼をまわす感覚が面白いのでしょう。大小の様々な石臼がありましたが、子供たちはみんなで力をあわせて、楽しそうに仕事をしていました。ここで作ったきなこは、5・6時間目に家庭科室でお餅を焼いて、「きなこもち」にして食べていました。子供たちにとって、とても貴重な経験になったと思います。

 そして、給食が終わり、午後の授業の時間に入る頃のことです。校庭が俄かに騒めいてきました。賑やかな子供たちの声が、少しずつ大きくなってきます。窓の外を見ると、200名近くの子供たちが集まっています。さあ、いよいよその時がやって来ました。待ちに待った大イベント!「お別れスポーツ大会」です。
 昨年度も実施したこのイベントでは、卒業を控えた6年生と最高学年のバトンを引き継ぐ5年生が一堂に会し、スポーツの交流試合を行います。試合をする競技は、ドッジボール、バスケットボール、サッカーです。基本的に交流が目的ではありますが、やはりスポーツは熱くなるものです。真剣な表情でプレーをしている姿、全力で勝負をしている姿もたくさん見られました。もちろん相手へのリスペクトも忘れずに、ルールを守りながら、それぞれが交流試合を楽しんでいました。今日は爽やかな気候だったこともあり、まさに「青春」のスポーツ大会でした。
 

 ちなみに、教員チームも6年生と勝負をしたのですが…。スピードと運動量は子供たちには勝てませんので、フィジカル重視で何とか肉薄しました。さて、結果は…。ご想像にお任せします。(とりあえず、教員一同、明日が祝日で助かりました。春分の日に感謝です。)

3月18日(月曜日)

 今年度も最後の週となってしまいました。25日の卒業式に参加する6年生と5年生を除けば、今週の金曜日の修了式が最終登校日となります。どのクラスでも、一年間の学習のまとめをしたり、最後のお楽しみ会の準備をしたり等、この時期特有の活動に励んでいる子供たちの姿をたくさん見かけます。残り少ない日々ではありますが、「校長のつぶやき」を通して、子供たちの様子をできる限り発信していきたいと思います。


「ドラゴンボール、うちにも全巻あります!」
「私は孫悟空が大好き!」
「ドラゴンクエストは最近始めたけど、メチャメチャおもしろいね。」
 今朝の全校朝会では、先日亡くなられた漫画家の鳥山明さんについてお話をしました。『ドクタースランプ』『ドラゴンボール』『ドラゴンクエスト』等の数々の名作をスライドで紹介し、鳥山明さんの作品が世界に与えた影響の大きさについても説明しました。私が教室をまわっていると、何人もの子供たちが朝会の話について感想を伝えてくれました。現代の子供たちも、鳥山明さんの作品はよく知っているようです。国境、世代を越えて、多くの人達に愛されている鳥山作品の偉大さを、改めて実感することができました。何を隠そう、私自身、小学生の時に鳥山作品に出会い、その唯一無二の絵のタッチを何度も何度もマネをしてきました。「校長のつぶやき」でも紹介したことのある『九九バトル』のモンスター、ホームページからもリンクできる『家庭学習 虎の巻』等、私が今まで描いてきたイラストや漫画をご覧いただければ、私が鳥山明さんの影響を大きく受けていることがお分かりになると思います。

 誰にとっても、「憧れの人」は心の中にいると思います。それは、スポーツ選手かもしれませんし、ミュージシャンやアーティスト、歴史上の人物かもしれません。あるいは、身近にいる親しい人かもしれません。どのような人物であっても、「憧れの人」は、きっと誰かの人生において何らかの大きな影響を与えてくれる人だと思います。「憧れの人」は、その生き方や功績、作品、言葉等、様々な形で、今を生きる私たちの背中を優しく、時には力強く押してくれます。「憧れの人」を口に出して言うことは、少々気恥ずかしいことかもしれませんが、私は胸を張って言うことができます。子供の時から今に至るまで、鳥山明さんは私にとっての「憧れの人」です。鳥山先生、長い間、本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。

3月15日(金曜日)

 昨日の続きです。3年生の社会科見学について書かせていただきます。

 私は「江戸東京たてもの園」には10回以上行ったことがあるのですが、今回は今まで以上に、外国の方がたくさん来園されていたことが印象的でした。これも、コロナ禍が収束したことで再び盛んになってきたインバウンド効果なのかもしれませんね。そして、そこに本校の元気いっぱいの3年生が来園したわけです。案の定、微笑ましい交流が始まりました。

「ハロー!」
「どこから来たんですか?」
 挨拶は英語ですが、続く質問は日本語です。しかし、外国の方もニコニコ優しく応じてくれました。

 また、たてもの園にある日本的な建物をスケッチしている外国の方もたくさんいらっしゃいました。好奇心旺盛な子供たちは、当然のようにスケッチをしている方の近くに寄っていきます。この距離のつめ方が、大人にはマネできない子供たちの強みです。絵を描かれていた方も笑顔で子供たちと会話をしてくれました。すると、子供たちも英語で伝えようと思ったのでしょう。
「ハバ ナイス デイ!」
 素敵な交流のワンシーンでした。

 さて、午後は西東京市郷土資料室に行きました。昔の道具やくらしについては社会科でしっかりと学習した子供たちです。資料室に展示してある昔の道具についても、「初めて」というよりは、「これ知ってる!」という感覚で、興味深そうに見ていました。それでも、洗濯板を使って洗濯のマネをしてみたり、黒電話のダイヤルを回してみたり等、とても楽しそうな姿がたくさん見られました。やはり現代の子供たちにとっては、昔の道具は逆に「新しい」、今風に言えば、「エモい」ようです。
 解説員の方も、昔の西東京市の様子や谷戸地域の歴史について、丁寧にお話をしてくれました。難しい内容もありましたが、子供たちは一生懸命メモをとりながら聞いていました。
「へー、昔はそうだったんだー。」
「谷戸の地域って、田無の中心だったんだね。」
「下野谷遺跡のイベント、今度あったら行ってみたいな。」

 私も3年生と社会科見学に行くことができて、とても楽しかったです。結果として、今年度は、全ての学年の子供たちと一緒に校外学習に出かけることができました。通常は出張や会議が校外学習の日と重なることも少なくないので、今年度はレアケースかもしれません。ということで、全学年の引率をコンプリートできたこと、個人的に喜んでいます。

3月14日(木曜日)

 今日は荒れ狂うような風も無く、春らしい穏やかな一日でした。そんな暖かい日に、私は3年生の子供たちと一緒に社会科見学に行ってきました。見学先は、「江戸東京たてもの園」と「西東京市郷土資料館」です。
 今回の社会科見学は、3年生の子供たちにとって、バスで出かける初めての校外学習です。そのことも影響していたのでしょう。朝から元気いっぱい、テンションMAXでした。
「うわー!バスの中、豪華!!」
「カーテンがゴージャス!降りたくないなぁ。」
「あれ?このシートベルトって、どうやるの?」
 バスの中も楽しくて仕方ないようです。友達と一緒だと、どんなことでも楽しくなってくるのでしょうね。その気持ち、わかります。

 最初の目的地、小金井公園の中にある「江戸東京たてもの園」に着きました。私自身、初任校がこの近くにあったこともあり、小金井公園やたてもの園には何度も来たことがあります。お気に入りの場所です。
 さあ、たてもの園の入り口を通りました。すると、景色は現代から、明治、大正、昭和初期の時代へとタイムスリップします。建物の雰囲気が今の時代とは全く違うので、子供たちにとっては逆に新しいようです。
「おじゃましまーす!うわー、すごーい!」
「なんかトトロで見たことがある。」
「見て見て!これ、井戸水かな?いっぱい出てくる!」
 土間にある「かまど」にも、つながっている畳の部屋にも、ポンプ式の井戸にも、とにかく興味津々。そして、昔の建物の見学中でも、子供らしい素直な気付きがいっぱいです。
「昔の家って、階段の角度が急だよね。一歩の幅が狭いなぁ。」
「部屋への入口の高さも自分の家より低いよ。昔の日本人って、背が低かったのかな。」
「校長先生って、昔の家に住めないね。頭がぶつかるもん。」
 確かに…。私は190cmあるので、見学の際は足下と頭上の両方の注意が不可欠でした。ちなみに、たてもの園には昔の電車も展示されていて、中に入ることができます。天井に扇風機が付いている車体ですが、私の頭とニアミスするという危機一髪の状況もありました…。(私が子供の頃の電車には天井に扇風機があったので、正直なところ、懐かしかったです。)

 さて、いつものように文章が長くなってきましたので…、明日に続かせていただきます。

3月13日(水曜日)

「それっ!」
 かけ声とともに、一人の女の子が赤いボールを転がしました。ボールはコロコロと転がり、ターゲットの白いボールに向かっていきます。周辺には、赤と青のボールが何個か散らばっていますが、その間を縫うようにボールは転がっていきます。しばらくすると、勢いを失った赤いボールは、ピタリと止まりました。
「あっ!赤のボールが白のボールに一番近いよ。」
「えーと…、青のボールより赤の方が近くて…、それが2つあるから…。2点かな。」
 さて、これは何の競技か、おわかりでしょうか。パラリンピックの正式種目にもなっている『ボッチャ』です。2時間目に2年生の教室に行くと、『ボッチャ』を楽しそうにプレーしていました。
 一見すると簡単そうなのですが、実際にやってみると、なかなかに奥が深くて面白いのがパラスポーツです。ターゲットまでの距離感とボールを投げる力の加減、そして、自分チームのボールをなるべく多くターゲットの近くに配置しなくてはならない高度な戦術…。『ボッチャ』は、フィジカルやパワーだけで勝負するものではありません。頭脳も技術も必要とします。このようなパラスポーツは、決して障害のある方だけが対象のスポーツではありません。老若男女、誰でも楽しく競技ができるというのが、最大の魅力です。2年生の子供たちの楽しそうな姿が、何よりもそれを証明していました。

 そして…、2時間目が終わると、突然の校内放送が…。

「さあさあ、お立ち合い!これから体育館で〇〇が始まるよ。」
 実際のアナウンスは講談師のような名調子で続きましたが…、私が放送内容を覚えきれなかったので…、ここでは割愛させていただきます。(スミマセン…。)
 何が始まったかというと、6年生による「ライブ・パフォーマンス」です。卒業前にみんなで一緒に取り組みたいということで、オリジナルの劇を披露してくれました。その演目は、皆様もご存知『桃太郎』…、ではなく、『令和の桃太郎』!会場にはたくさんの子供たちや教職員が集まり、楽しい劇に大盛り上がりでした。

 卒業式練習で忙しい6年生ですが、後輩たちや先生たちを最後まで楽しませてくれる心意気が素敵ですね。まさに「粋」な最高学年です。みなさん、ありがとうございました。


『令和の桃太郎』!ただいま絶賛上演中!

3月12日(火曜日)

 中休み、全校の子供たちの大移動が始まりました。今年度最後の「なかよし班」活動があるからです。校内が一気に賑やかになってきました。

「はーい。みんなはこっちに来てねー。」
 大きい学年の子供たちが、優しく声をかけながら下の学年の子供たちを連れて歩いています。年間を通して交流しているだけあって、お互いの顔も名前もバッチリ覚えているのでしょう。年度初めはお互いに緊張気味だった表情も見られましたが、今では笑顔で関わることができています。
 今日は残念ながら雨天のため、最後の「なかよし班」活動は教室の中で過ごすことになりました。それでも、ハンカチ落としをして遊んだり、お互いへのメッセージカードを渡してお礼を伝えたり等、楽しそうに交流している子供たちの微笑ましい姿がたくさん見られました。
 「なかよし班」の出会いも一期一会です。同じクラス、同じ学年の友達と比べれば、異学年の友達と関わることは、回数こそ多くはありません。しかし、年間を通して様々な関わりを続けることで、いつの間にか心の距離が近くなり、仲良くなっていきます。登下校中に会えば、声を掛け合うようになります。教室前の廊下に作品が掲示してあれば、関わった子の作品に注目するようになります。仲良くなった上級生が体育の授業で走っていれば、下級生の子は応援するようになります。これが異学年交流、「なかよし班」活動の良さです。改めて、今年度はコロナ禍が収束し、異学年交流を活性化できたことを、素直に嬉しく思います。
 谷戸二小のみなさん。今年度の「なかよし班」活動、お疲れ様でした!

 4月になれば、新しい「なかよし班」活動がスタートします。そこではまた、新たな出会い、新たな交流が生まれるはずです。このような関わりを積み重ねながら、子供たちには大きく力強く成長してほしいと考えています。

3月11日(月曜日)

「おはようございます!」

 先週も紹介させていただきましたが、3年生の挨拶当番が今週も頑張っています。今日を含めて、今年度の登校日はあと10日となりました。(卒業式に参加しない4年生以下は9日です。)最後まで「挨拶のバトン」を全力でつないでくれている3年生の子供たち、頼りにしています。よろしくお願いしますね。


 年度末のこの時期になると、それぞれのクラスの「Google Classroom」も盛り上がってきます。残り少ない日々の中で、様々な係が自分たちにできることを考え、意見やアイデアを「classroom」に投稿しています。思い出をまとめたスライドや動画を投稿する子もいれば、最後のお楽しみ会のためのアンケート調査をしたり、準備をしたりしている子もいます。春休みに入ってしまうと、今の「Classroom」は閉鎖になってしまいますからね・・・。今のクラスの友達と過ごす日々を、最後の最後まで輝かせようと努力している子供たちの姿は、とても素敵です。


 さて、今日は3月11日です。2011年の東日本大震災から13年が過ぎたことになります。当時、私は5年生の担任でした。先月、当時の教え子たちと同窓会で集まることがありましたが、やはり東日本大震災のことが話題になりました。卒業式の会場設営をしていたら、突然激しい揺れに襲われたこと。家に人がいないため、夜遅くまで体育館に残っていたこと。翌週から給食や午後の授業がなくなり、集団下校が続いたこと。コンビニやスーパーから食品が消えてしまったこと…。当時の5年生も24歳の若者になりましたが、今でも「あの日」の衝撃やその後の不安な日々のことを、しっかりと覚えていました。
 今の小学生は6年生でも12歳ですので、当然のことながら、当時の震災を経験した小学生は誰もいません。戦争や震災の記憶というものは、先人が後の世代に伝えていかなければ、徐々に薄れてしまうものです。その役割に大きく貢献できるのが、学校教育だと考えます。本校でも、防災ウィークや避難訓練の継続的な実施を通して、今後も防災教育に力を入れていきます。

3月8日(金曜日)

「フードドライブ、やってまーす!」
 登校時間、4年生の子供たちが元気な声で呼びかけています。総合的な学習の時間で取り組んでいる『フードドライブ』の活動です。『フードドライブ』とは、家庭で余っている食品を集めて、食品を必要としている地域のフードバンク等に寄付する活動のことです。

 4年生の子供たちは、年度初めから『フードドライブ』のことを知っていたわけではありません。「ふるさと探究学習」を通して、たくさんの地域の方々と交流したり、地域の良いところや課題について学んだりしてきました。その中で、「だれもがくらしやすい西東京市にするために」という大きなテーマを設定し、それぞれの探究を進めてきました。以前にも「校長のつぶやき」で紹介させていただきましたが、いこいの森公園の落ち葉集めや田無駅前の清掃活動、障害のある方々、高齢者の方々との交流等も、それぞれの探究から展開した学習活動の実践例です。「地域のために、西東京市のために、自分たちにできることはないか」子供たちは学習を進めていく中で、地域貢献、社会貢献という言葉を知り、それらの大切さに気付いてきました。

 今回の『フードドライブ』も、社会問題となっている食品ロスの現状について子供たちが考え始めたことから動き出したプロジェクトです。西東京市社会福祉センターの方やJA東京みらいの方にも学校にお越しいただき、専門的なアドバイスをいただきながら、準備を進めてきました。『フードドライブ』を宣伝するポスターや動画も作成し、全校の子供たちや保護者の皆様にも呼び掛けてきました。

「フードドライブ、やってまーす!」
 4年生の子供たちの声に呼応するように、他の学年の子供たちが受付に集まってきます。そして、家から持ってきた食品を袋から取り出し、寄付をしてくれました。
「ありがとうございます!」
 4年生の子供たちは元気な声で感謝の気持ちを伝えていました。その後も、続々と食料品が届きます。乾麺、飲料水、缶詰、レトルト食品…等々。私が想像していた以上に、たくさんの食料品が集まりました。4年生の子供たちも、自分たちのメッセージが周りの人たちに届いたことを実感したのかもしれませんね。溢れる笑顔と誇らし気な表情が、それを物語っていました。4年生の皆さん、よくがんばりましたね。
 

 ちなみに、私もお気に入りの「サバの缶詰」と「カレーメシ」を寄付させていただきました。(お気に入りなので、家にたくさんストックしています。)

3月7日(木曜日)

「おはようございまーす!」
「今日は助っ人で来ました!おはようございまーす!」

 谷戸二小の正門では、今日も元気な挨拶の声が響き渡っています。2月までの挨拶当番は、「なかよし班」で順番に担当していましたが、3月の挨拶当番は、3年生の有志の子供たちが頑張って担当しています。今週は1組、来週は2組、そして最後の週は3組が担当して、今年度の挨拶当番は終了となります。毎朝、私も正門に立って挨拶をしているのですが、子供たちと一緒に挨拶をしていると、こちらの気持ちも明るく元気になります。
「今週は1組の担当だけど、今朝の挨拶当番は人数が多いなぁ…」と思ったので、メンバーをよく見てみると、他のクラスの子も当番の中に混ざって挨拶をしていました。「助っ人」として参加しているそうです。自分からすすんで挨拶当番に参加してくれるという気持ちが嬉しいですね。

「家に帰って、『モノグサ』をいっぱいやっています。今、何位くらいですか?」
「校長先生!算数のタスクが100%になりました。」
 9月から導入した学習アプリ『モノグサ』ですが、子供たちはかなり使いこなせるようになってきました。担任が学習内容に関係のあるタスクを出しておけば、子供たちは自分のペースで計画的に取り組んでいます。そして、やはり着実に学習を進めている子は、基礎学力も定着していることがわかります。その様子は、教師側の管理画面で瞬時に、そして詳細に把握できますので、私もかなりの頻度で子供たちの取組状況を確認しています。これが簡単にできるのが、アプリの強み、ICTの強みですね。
 余談ですが、教師側の管理画面では、直近30日間の学習回数ランキングというものも確認できます。タスク1回の量は、漢字なら10問程度、算数なら20問程度です。集中して取り組めば、5分ほどで終わります。それが30日分となると…、学習回数はどのくらいになると思われるでしょうか。この学習回数のランキングは、クラス別に確認することもできますが、学校全体でも見ることができます。ちなみに、トップ5の子は、30日間で400回前後の学習回数です。毎日10回以上、タスクを取り組んでいる計算になります。実際の数字を通して、「がんばりの形」を示すことは、子供たちにとっても励みになっているようです。私たちもアプリを効果的に活用しながら、子供たちの学習意欲を高め、基礎学力の向上を図っていきたいと思います。

3月6日(水曜日)

「わたしが紹介する本は〇〇です。この本は…」
「おすすめしたいポイントは2つあります。ひとつは…」
 
 朝の時間、2年生の教室に行くと、5年生の子供たちが本の紹介をしていました。以前にも「校長のつぶやき」で書かせていただきましたが、5年生の国語には、『この本、おすすめします』という単元があります。学習のめあては、「他の学年のみんなにもっと本を好きになってもらうために、おすすめの本について、書き表し方を工夫してすいせんする文章を書こう。」です。2年生と5年生は、年間を通して「なかよし班」の活動を続けています。「あいさつ当番」や「なかよし班遊び」だけではなく、今回のような学習活動を通した交流も盛んに行われています。異学年交流は、それぞれの学年にとってもメリットが大きく、何よりもお互いのことをより深く知ることができるので、学校全体で推進しているところです。

 さて、5年生が本を紹介している場面に話を戻します。5年生の子供たちは、自分が作成したスライドを使って堂々とプレゼンをしていました。その中で、私が感心したことがあります。まずは、ICTスキルが向上している点です。GIGAスクールが始まって3年目。本校は、情報活用能力の研究も推進してきました。その成果なのかもしれませんが、スライドの作り方が、飛躍的に向上していました。相手にわかるように文字の大きさや文章量を整えながら、アニメーションやエフェクトも効果的に加えていました。初めてタブレットが配布されたころは、どちらかと言えば、自分が作っていて楽しいスライド、独りよがりの作品が少なくありませんでした。しかし、今は相手意識をもちながら、「伝わるように」工夫して作成している様子が見られます。大きな成長だと考えます。

 もうひとつは、スピーチが上達したことです。今回はリモコンでスライド画面を操作しながら、前を向いて話し続けていました。スピーチする内容を事前に頭に入れてきたのでしょう。タブレットの画面を見ながら話すのではなく、常に相手の顔、2年生の顔を見ながら、上手に話し続けていました。

 工夫されたスライドと滑らかなスピーチは、2年生の心をガッチリとつかんだと思います。5年生の皆さん、おつかれさまでした。プレゼンテーションが本当に上手になりましたね。魅力的なプレゼンで有名なスティーブ・ジョブズさんのようでしたよ。

3月5日(火曜日)

「〇〇さん、今まで〇〇をしてくれて、ありがとうございました。」

 今日の3・4時間目、2年生の教室から、たくさんの「ありがとう」の声が聞こえてきました。生活科の学習の中で、これまでの自分の成長を振り返り、お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えようと取り組んできました。そこで、2年生の子供たちは『ありがとう つたえ隊』となって、本日の『ありがとう発表会』に向けて、準備を進めてきました。

 感謝の気持ちを伝えるには、どうすればいいのか…、子供たちは一生懸命考えてきました。歌や演奏、スライド、壁新聞、折り紙の作品、一緒に遊べるカルタ、劇…。グループごとに準備を進め、リハーサルも入念に行っていました。事実、私は教室をまわっている時に、2年生が練習に練習を重ねている様子を何度も見てきました。それだけに、今日はその頑張りの成果を、たくさんのお家の方々や地域の方々に見ていただくことができたことを、大変嬉しく思います。

「熱が出た時に、看病をしてくれたお母さん。ありがとう。」
「いつも一緒に遊んでくれる学童の先生。ありがとう。」
「わたしたちの安全を見守ってくれる交通擁護のみなさん。ありがとう。」

 発表の形は様々でしたが、どのグループの「ありがとう」も、心がこもっていて素敵でした。同時に、間もなく2年生が終わり、3年生になろうとしている現在において、子供たちがいろいろなスキルを身につけ、多くのことができるようになっていることに、一人一人の成長を感じました。2年生と2年間のお付き合いしかない私ですら、そのように思うわけですから、子供たちが赤ちゃんの時からずっと大切に育ててこられたお家の皆様にとっては、その気持ちは比べものにならないほど大きいと思います。

 子供たちは健やかに、逞しく、そして立派に成長しています。これからの成長も楽しみですね。谷戸第二小学校では、これからも家庭や地域の皆様と連携を密にとりながら、子供たち一人ひとりの成長を力強く支えていきたいと思います。今後もどうぞよろしくお願い致します。

3月4日(月曜日)

 今年度、子供たちが今の教室で学習する日々も、あと3週間となりました。日数にして、あと14日です。(卒業式に参加する6年生と5年生は、あと15日です。)毎年実感することですが、3学期はあっという間に過ぎていきます。どの学年の子供たちも一年間の学習や生活を振り返りながら、それぞれの成長や課題を確認することが多くなると思います。残り少ない日々ではありますが、子供たちには一日一日を有意義に過ごしてほしいです。

 さて、本日の昼休みのことです。「YATO2 ライブ・パフォーマンス」がありました。3学期からは、エントリー枠を2年生にも拡大しています。舞台に立って人前で表現することは、一般的にはハードルの高いことだと思いますが、そこはさすがの「谷戸二小の子供たち」です。今まで多くの先輩たちの素敵なパフォーマンスを観てきただけに、「かっこいい!」「やってみたいなあ。」という憧れが人一倍あったのかもしれません。「ライブ・パフォーマンス」へのチャレンジ精神も旺盛で、どの教室でも楽しそうに練習する2年生の子供たちの姿が多く見られました。今日の本番では、歌や演奏、ダンスを堂々と発表する等、練習の成果を存分に発揮できたようです。2年生の子供たちの華々しいライブ・パフォーマンスのデビューでした。
 もちろん、先輩たちも負けていません。他にも、3年生と5年生のエントリーがありました。経験者も多く、舞台に立つのも慣れている様子です。物怖じすることなくお笑いのネタを披露したり、チームでコミカルなダンスを踊ったり等、観客を大いに沸かせていました。圧巻だったのは、ラストを飾った5年生の2人組です。クールな衣装で、キレキレのダンスを見せてくれました。さすがは高学年、貫禄すら感じさせます。
 今年度も「YATO2 ライブ・パフォーマンス」では、年間を通して、たくさんの子供たちがチャレンジしてくれました。クラスや学年に関係なく、学校のみんなで盛り上がれるイベントとして、今後も大事にしていきたいと思います。今年度、残り日数は少ないですが、もしかするとサプライズ開催があるかもしれません…。乞うご期待!

3月1日(金曜日)

「6年生の皆さん、今までありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「中学校に行っても、がんばってください!」
「がんばってください!」

 6年生に向けた感謝の言葉やエールが、体育館に響き渡ります。この時点でお気付きの方もいらっしゃるかもしれません。そうです。今年度もこの時がやって来ました。『6年生を送る会』です。

 今回の『6年生を送る会』は、久しぶりに全校児童が集まって開催することができました。私が谷戸第二小学校に赴任した一昨年度は、コロナ禍による緊急事態宣言等も発出されていたこともあり、異学年の交流には大きな制限がありました。その時の『6年生を送る会』は、6年生と5年生の1クラスずつの開催でした。感染状況が若干改善してきた昨年度でさえ、6年生と5年生のみの参加が精一杯で、1〜4年生は参加できませんでした。その代わりに、6年生に想いを届けるために、知恵と工夫を重ね、リモート機能や動画撮影等を駆使しながら、感謝のメッセージを伝えるという新しい形が生まれました。これは、コロナ禍の厳しい状況に果敢に挑み続けた学校現場の不屈の努力であり、GIGAスクール時代のひとつの成果だと言えます。
 

 それだけに、今回のように全校児童が集まって同じ時間を過ごし、ひとつの大きな行事を共有できたことには、コロナ前から長く教員を続けている自分にとっても、非常に感慨深いものがありました。各学年の心のこもった歌や合奏、演技の出し物はもちろん、会場を盛り上げる手拍子や笑い声、お互いに贈り合う万雷の拍手…。それらのひとつひとつが、現代風の言葉で言えば、私の心に刺さるものばかりでした。

 最高学年として谷戸第二小学校を力強く支えてきた6年生の皆さん。今まで本当にありがとうございました。卒業までは、まだ少し時間があります。谷戸第二小学校での楽しい思い出を、ひとつでも多く作ってほしいと思います。今の学年、今のクラスで過ごすかけがえのない時間を、心のままに楽しんでください。

2月29日(木曜日)

 昨日の続きです。子供たちの来室について、書かせていただきます。

 今日の中休みのことです。4年生の女の子が3人、校長室にやって来ました。
「校長室に、〇〇ちゃんの描いた絵がありますか。」
「中に入って、絵を見てもいいですか。」
 絵が得意な子供たちが、時々自分の描いた絵を校長室に持ってきてくれます。そのため、私は校長室の小さな黒板に、子供たちのイラストを貼ることにしています。〇〇ちゃんも以前に自分の描いたイラストを持ってきてくれました。4年生が間もなく終わろうとしている年度末になって、その絵が懐かしくなったのかもしれません。それで、友達と一緒に校長室まで絵を見に来たというわけです。
「すごーい!上手!」
 友達が絵を絶賛してくれました。〇〇ちゃんも自分の描いた絵に久しぶりに会えて、とても嬉しそうでした。

 その直後、5年生の女の子が2人、校長室にやって来ました。5年生は総合的な学習の時間で、アニメ作りにチャレンジしています。アニメと言っても、イラストだけではありません。自分たちで撮影した素材を、アプリを使ってコマ送りのように動かすこともしています。今日の2時間目に、アニメ会社『エクラアニマル』の方にゲストティーチャーでお越しいただき、子供たちにアドバイスをしていただきました。そのため、5年生の子供たちは作品の改善に夢中で取り組んでいました。
 校長室に来た女の子2人組は、動画の素材となる写真を教室や廊下で何度も撮影していました。その流れの中で、校長室の場面も撮影して、素材として集めておこうと考えたようです。さて、どのような動画の作品に仕上がったでしょうか。完成が楽しみです。

 本日の中休みの出来事だけでも、以上のような感じです。子供たちが校長室にやって来る理由は、学習関係の相談もあれば、雑談や遊び、リラックスをするため等、実に様々です。お客様がいない限りは、子供たちの校長室への来室は基本的にいつでもOKとしています。私にとっても、子供たちとの関わりは楽しい時間ですので。

 さて、まだまだ紹介したいエピソードは数多くあるのですが…。ずっとこのテーマになってしまいそうなので、またその都度、お伝えさせていただきます。

2月28日(水曜日)

 昨日の「校長のつぶやき」でも少しふれましたが、谷戸第二小学校の校長室には、たくさんの子供たちがやって来ます。休み時間等は私も一緒に話をして盛り上がることも少なくありません。今回の「校長のつぶやき」では、最近の子供たちの来室について紹介させていただきます。

「中庭のけやきの木って、いつ頃からあるんですか。」
 3年生の女の子が尋ねてきました。国語の『わたしたちの学校じまん』という学習の中で、中庭にあるけやきの木について紹介したいようです。そこで、昨年度の開校50周年の時に作った「YATO2 NEWS」を見て、一緒に調べてみることにしました。私の記憶では、昨年の6年生と一緒に作ったニュース動画の中で、けやきの木を扱ったスライドがあったような気がしていたからです。

「あっ!開校の時から、けやきの木がある!」
 案の定、当時のけやきの木が確認できる写真がありました。今から50年以上前も、けやきの木は立派にその枝を伸ばしていました。

「木の高さは…、3階の窓くらいかな。」
「今はもっと高いよね。ちょっと見に行こう!」
 子供たちはそう言うと、中庭のけやきの木を確認するために、校長室を出ていきました。

「うわー!枝が屋上まで届いているよ!すごい!」
当然のことではありますが、開校時から現代に至るまでの時間、けやきの木も大きく成長しています。ただ、子供たちは昔のけやきの木を写真で確認したことで、いつも見慣れているけやきの木の大きさや成長について、新たな気付きをもちました。これも大事な学びです。

「ちょっと写真を撮っておこうっと。」
 さすが令和時代の子供たち。気になることがあれば、持参したタブレットでササッと撮影します。ICTの活用は、お手のものです。

 他にも、子供たちの来室についてお伝えしたい場面がたくさんあるのですが…、またしても長文になってしまいそうなので、それは次回にさせていただきます。

2月27日(火曜日)

 本日も晴天ではあるのですが、昨日から吹き続けている強風が凄まじいです。強風と言うよりも暴風という表現が適切であるかのように、荒れ狂うような風は校庭の木々の枝を激しく揺らすとともに、砂塵を大きく巻き起こしています。そして、何よりも厄介なことは、花粉が広範囲に飛散している点です。涙目で辛そうな子もいれば、鼻水が止まらないで苦しんでいる子もいます。これは子供たちに限ったことではなく、私たち大人も例外ではありません。この「校長のつぶやき」を読まれている方の中にも、同じ思いをされている方は多いのではないでしょうか。今しばらくの間は、天候の情報だけでなく、花粉の情報にも十分に注意していきたいですね。

 さて、話は変わります。本日、かわいいお客様たちが谷戸第二小学校にやって来ました。谷戸幼稚園の年長さんです。本校の1年生とは定期的な交流活動を続けており、今年度はこれで3回目の交流となります。

 中休みに私が校長室で仕事をしていると、廊下の方が賑やかになってきました。扉の向こう側に、何人かの子供たちの気配が感じられます。

「ここは校長室だよ。校長先生という人がいます。」
 1年生が自分のペアの年長さんに、学校の中を案内しているようです。

「中に入れるのかな…。」
「校長先生って、今いるのかな?」
「部屋の中を見てみたいよね。」
 小さな声で、何人かの1年生が相談しています。そして…

コン、コン…

 申し訳なさそうな弱さで、校長室の扉をノックする音が聞こえてきました。きっと勇気を振り絞ってノックしたのでしょうね。年長さんたちに校長室の中を見せてあげたいという1年生の優しい気持ちが伝わってきました。

 そこで、私は校長室の扉を開けて、子供たちに伝えました。

「どうぞ!みんな、入っていいよ。」

 その後、校長室が何十人もの小さな子供たちの楽しい見学(遊び?)場所になったことは、ご想像にお任せします。よくよく見ると、大きい学年の子供たちもドサクサに紛れて校長室に入っていたような気がしますが…。

 1年生のみなさん。年長さんたちに小学校のことを優しく教えてあげて、とても立派でしたよ。どうもありがとう。

2月26日(月曜日)

 本日の午前中、本校の多目的室で「避難所運営委員会」が開催されました。年間3回開かれる「避難所運営委員会」には、地域の関係者の皆様、危機管理課や初動要員等の行政関係の皆様、そして校長と副校長を代表とする学校関係者が参加しています。そこでは、各関係者が連携をとりながら、地域の防災について話し合ったり、様々な準備を進めたりしています。
 本校は9月上旬に「防災ウィーク」を実施しましたが、その際も「避難所運営委員会」の皆様には大変お世話になりました。5年生の心肺蘇生法(心臓マッサージ)の練習や3年生の地域の防災倉庫を巡る防災ラリー、6年生の避難所開設訓練(避難所トイレの組み立て)等、様々な防災体験学習を進めてきたことは、9月の「校長のつぶやき」でも紹介させていただきました。詳細については、そちらをご覧ください。
 

 今回の「避難所運営委員会」では、今まで準備してきた避難所開設の手順について具体的に確認したり、防災トイレを実際に組み立ててみたりしました。私は初動要員の方がトイレの組み立てを行っている様子を見させていただきましたが、おそらくトイレの設置に関して言えば、高学年の子供でも簡単にできるでしょう。しかし、本当に大事なことは、プライバシーの確保やトイレの維持管理等、組み立てた後のことです。避難所での生活が長くなればなるほど、排泄物の処理や管理が重要になってきます。また、トイレに行くことを回避するために、十分な水分をとらずに体調を崩してしまい、結果として災害関連死を招いてしまうという怖れもあります。これらの問題は、熊本地震や能登半島地震等、昨今の被災地においても実際に表面化した問題であり、多くのメディアでも報道されました。

「もし、谷戸第二小学校が避難所になった場合は…」
 このことを想定しながら、有事ではない平時のうちに、関係機関が一体となって話し合い、十分な対策を立てておくことは、とても大切です。そして、一人ひとりが防災を自分のこととして考え、備えを心がけておくことは、さらに大切なことです。谷戸第二小学校でも、「避難所運営委員会」の皆様と共に、防災の情報を集約して、ホームページの中に適宜更新しています。「みんなでつくろう!谷戸二小の『避難所』」をご覧いただき、ご家庭や地域の防災について考える際に役立てていただければ幸いです。


実際に「防災トイレ」を組み立ててみました。

2月22日(木曜日)

 昨日から降り続く雨のため、今日は一日中校庭が使用できませんでした。雨天が続くと思い切り体を動かしてストレスを発散させることが難しいため、このような日は校内でのケガやトラブルが起きやすいです。私も長い教員経験から、そのような場面をよく見てきました。そのため、雨天の日は安全パトロールも兼ねて、いつも以上に校内を歩き回ることにしています。さて、今日はどうでしょうか…。

 1年生の教室では、来週に予定されている谷戸幼稚園との交流会に向けたリハーサルをしていました。年長さん役と1年生役に分かれて、昔遊びのルールを説明したり、折り紙の折り方を教えてあげたりしていました。
「こんな時は、こうするといいよ。」
「年長さんがわかるように伝えないと…。」
 子供たちは様々な場面を想定しながら、練習を重ねていました。入学してから、間もなく1年が経とうとしています。2年生に向かって、お兄さん、お姉さんらしい姿が増えてきました。来週の交流会もがんばってくださいね。
 

 家庭科室に行くと、5年生がミシンを使ってランチョンマットを作っていました。
「うーん、なんでここが上手く縫えないんだろう。」
「ちょっと見せて。ここはね、こうすると…」
 お互いにアドバイスをし合ったり、ミシンの糸の交換を一緒に進めたり等、5年生の子供たちは友達と協力しながら一生懸命取り組んでいました。さてさて、どんなランチョンマットができるでしょうか。楽しみですね。

 昼休みは、たくさんの子供たちが体育館に集合しました。もはや谷戸二小の特色にもなっている『ライブ・パフォーマンス』があるからです。今日は4年生の子供たちが素敵なダンスをたくさん披露してくれました。4年生にはダンス好きの子が多く、そのレベルの高さは大人が見ていても驚くばかりです。観客の子供たちも手拍子を送りながら、大いに盛り上がっていました。
 そして、もうひとつ会場を沸かせたのは、新たなパフォーマンスです。今年度の計算王に輝いた女の子による計算パフォーマンスです。大勢が見守る中、実際に計算問題を解く様子を、スクリーンに映してリアルタイムで発表しました。さすがは計算王です。凄まじいスピードで、次から次へと問題を解いていきます。60秒間の計算チャレンジの後、最後にスコアが表示されると、体育館に大歓声が沸き起こりました。

 というように、雨の日でも、谷戸二小の子供たちは元気に楽しく過ごしていました。

2月21日(水曜日)

 5時間目に4年生の音楽の研究授業がありました。今日の学習内容は「鑑賞」です。授業が始まると、ある曲(授業の関係上、曲名はふせておきます。)を音楽の先生が流しました。

「ゾウが歩いているみたい。」
「なんか…こわい雰囲気がする。」
「途中から圧がかかった感じ。」

 音楽の先生が曲の印象をたずねると、子供たちは自分の言葉で思い思いに表現していました。感じ取ったことを言語化するのは意外と難しい作業ですが、4年生の子供たちは実に素直に答えていました。
 
 この曲(曲名は言えませんが…)は主旋律が複数回繰り返されます。今日の授業のめあては、「音楽が変化していくおもしろさを見つけよう。」です。授業が進むにつれて、曲を口ずさんだり、拍をとったりする子供たちの姿が多く見られました。すっかりこの曲を気に入ったようです。
 
 授業の序盤は、主旋律の繰り返しを6回目まで聴きました。その後、主旋律の繰り返しを12回目まで聴くうちに、子供たちの気持ちはどんどん高まってきました。

「暗い森の中に入りこんだみたい!」
「屋敷のような雰囲気もある。」
「誰かに追われている感じがする!」

 さらに、主旋律の繰り返しを18回目まで聴くと、子供たちの興奮は最高潮に!

「曲の『速度』が超速くなった!」
「最後のところは『強弱』もMAXを超えていった!」

 曲想の変化を『速度』や『強弱』という言葉を入れて答えている子供たち。たいしたものです。最後には、体全体を使って曲想の変化を楽しんでいました。

 音を楽しむと書いて「音楽」。子供たちが思い切り曲を楽しんでいる姿から、そのことに気付かされた音楽の授業でした。

 最後になりますが、授業で曲名をふせていた関係で、今回の「校長のつぶやき」の中では曲名を明らかにしませんでした。文章中の子供たちの発言やヒントだけで、何の曲かおわかりになられた方はいらっしゃいますか?ぜひ予想してみてください。

2月20日(火曜日)

「今日のお話は何だろう。」
 朝の時間、1年生の教室を覗くと、本の読み聞かせが始まるところでした。1年生の子供たちは素早く机と椅子を教室の後方に移動させ、その後、教室前方にできたスペースに全員が集まりました。子供たちにとって、本の読み聞かせはとても楽しみな時間です。瞳をキラキラさせながら、読み聞かせが始まるのを今か今かと待っている姿が見られました。
 読み聞かせボランティアの皆様には、年間を通してかなりの回数の読み聞かせをしていただいています。お陰様で、子供たちはたくさんのお話にふれることができています。いつも読み聞かせのご協力をありがとうございます。

 2年生の教室に行くと、3クラス全ての教室で、道徳の授業が行われていました。ここまでは特に珍しくもないことですが、いつもの授業とは大きく異なる点がひとつだけあります。それは、1組の教室では2組担任が、2組の教室では3組担任が、3組の教室では1組担任が、それぞれ授業をしているという点です。本校の特色のひとつである「交換授業」です。教師と子供たちのかかわりを増やすために、本校では担任以外の先生が授業をする「交換授業」を定期的に設けています。学年によっては、教科ごとに先生が異なる「教科担任制」も実施しています。校長や副校長が授業を担当することも、少なくありません。(ちなみに、私は今年度、全ての学級で授業をやらせてもらいました。)担任の先生だけでなく、校内のたくさんの先生たちとかかわりながら、子供たちは毎日の学校生活を送っています。

「ここをこうして塗ると…。やったー!土器の模様がきれいに出てきた!」
 3年生の教室では、ゲストティーチャーをお招きして、下野谷遺跡の学習をしていました。下野谷遺跡は、西東京市に所在する縄文時代中期の環状集落の史跡です。3年生は西東京市について学習することが多いのですが、本日は下野谷遺跡のことを学ぶ特別授業でした。実際に出土した土器を見せてもらったり、当時の暮らしの様子を解説してもらったり等、身近な史跡について興味をもつことができました。また、子供たちが楽しそうに取り組んでいたのは、土器の破片に紙をのせて、その上をクレヨンで塗り続ける活動です。塗り続けると、土器の模様が表面にきれいに出てきます。子供たちはお気に入りの模様を塗り出しては、ハサミで切り抜き、ハガキに貼っていました。私は途中で他の教室に移動してしまいましたが、どの子も、世界で一枚だけのオリジナルハガキを完成させることができたと思います。

2月19日(月曜日)

『み』…「みんなの安全 タヌキが見守る 北原交差点」
『い』…「いのち ささえた 用水路 いまは暗渠の 遊歩道」
『へ』…「碧山の 夏をいろどる カブトムシ」

 地域にお住まいの皆様の中には、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。これらは『西東京かるた』の読み札です。かるたで遊びながら、西東京市の地域の様子や歴史について学べるように作られています。私も谷戸第二小学校に来てから『西東京かるた』のことを知りましたが、簡潔でわかりやすい言葉で表現されているので、とても面白いです。かるたの札は職員室前に掲示してありますので、本校にお越しの際には、ぜひご覧ください。

 その『西東京かるた』の中に、以前より気になっていた札がありました。『く』の札です。

「空襲の 歴史を刻む 平和のリング」
 
 郷土の文化や地理等が描かれた他の札とは、明らかに一線を画する内容が描かれています。「戦争」です。日本の多くの地域と同じように、かつて西東京市にも戦火が及んでいたことを、田無駅前にある「平和のリング」は今に伝えています。

 今日の5時間目、6年生の子供たちを対象に、戦争についての特別授業が行われました。田無駅前にある田無アスタから、講師の先生をお招きすることができました。当時の戦火の様子や被害の大きさ等を、スライドの写真を交えながら説明していただきました。自分たちの生活する西東京市にも戦争の傷跡が残っていることを知り、子供たちは驚きを隠せない様子でした。
 ウクライナやパレスチナで起きている戦争のニュースは、多くのメディアやSNSで報じられており、多くの人達が心を痛めています。しかし、戦争というものは、決して遠い国の話ではありません。約80年前、この日本で、そして自分たちの暮らすこの町でも、戦争と隣り合わせの日常が確かにありました。戦争によって多くの犠牲者が出たことも、私たちが目を背けてはならない歴史の真実です。6年生の子供たちは今日の授業を通して、どんなことを感じたでしょうか。戦争の悲惨さや平和の尊さについて、一人ひとりが自分なりの考えをもってくれたら嬉しいです。

2月15日(木曜日)

 午前中、校内をまわっていると、2年生の教室の中に5年生の子供たちがいました。2年生と5年生は「なかよし班」が同じで、現在も一緒に挨拶当番を担当する等、定期的な交流活動を続けています。今回はどんな交流をしているのかと思い、教室の中を覗いてみました。

「ぼくたちが紹介するのは、〇〇という本です。この本のおもしろいところは…」
 5年生のひとつのグループが、おすすめの本についてプレゼンをしていました。タブレットを慣れた手つきで操作しながら、画面に合わせて上手に説明をしています。2年生の子供たちは、おしゃべりをすることもなく、集中して5年生の説明を聞いています。実際に本を手に持って、紹介しているグループもありました。紹介の仕方こそ様々ではありますが、どのグループもこの時間のために、一生懸命準備を進めてきた様子が伝わってきました。

 少し説明をさせていただきますと、5年生の国語の学習の中に、『この本、おすすめします』という単元があります。「他の学年のみんなにもっと本を好きになってもらうために、おすすめの本について、書き表し方を工夫してすいせんする文章を書こう。」という学習課題について、5年生は取り組んできました。相手意識をもって取り組むと、学習意欲は飛躍的に高まります。何よりも、2年生との交流活動は更に活性化し、関係性がより豊かになります。これは、本校の推進している「かかわりを重視した教育活動」にも合致したものです。このように、本校では、「あいさつ当番」や「なかよし班遊び」、そして、今回のような交流授業を通して、異学年交流を活発に行っています。

 さて、2年生のみなさん。読んでみたい本は見つかったでしょうか。気になる本があれば、5年生のお兄さん、お姉さんたちに質問してみてください。きっと優しく教えてくれますよ。

 最後になりますが、明日は出張があるため、私は学校を留守にします。そのため、「校長のつぶやき」はお休みさせていただきます。不定期の情報発信で恐縮ではございますが、ご承知おきいただければ幸いです。よろしくお願い致します。

2月14日(水曜日)

 今日は西東京市で研究発表会が行われる関係で、どの学校も午前授業でした。つまり、給食を食べた後、下校となります。私は午前中に出張があったので、子供たちの様子が見られたのは、登校と下校の時間だけでした。正直なところ、授業の中で頑張っている子供たちの様子が見られないのは寂しいところです。しかし、校外に出かける用事が多い立場上、このような一日があるのも仕方ありません。その分、学校にいる間は、なるべく多くの子供たちに声をかけて、積極的に関わらせてもらっています。やはり私自身、担任時代はもちろん、管理職になってからも、子供たちと関わっている時間が最高に楽しいです。

 前置きが長くなりました。繰り返しになりますが、私は午前中不在だったので、せめて下校の時間だけでも子供たちに話しかけようと、出張帰りに決意を固めました。しかし、各学年、各クラスをまわるには、時間が十分ではありません。帰りの会の5〜10分程度で全ての教室をまわるには、無理があります。そこで、私は考えました。
「大勢の子供たちが通る場所、そこで待っていよう。」
 下校の時間、多くの子供たちが通る場所が、学校にはあります。昇降口です。私は昇降口に立って、子供たちの帰りを見守ることにしました。

「校長先生、さようならーっ!」
「この後、みんなで遊ぶんだーっ。」
 元気よく、突風のように下校していったのは5年生の男の子たち。きっと午後の時間、みんなでたっぷり遊ぶのでしょうね。

「あっ!?水槽の中にあるプチプチ、何だろう?」
 いろいろな学年の子供たちを見送っていると、2年生の男の子に呼ばれました。水槽の中を確認すると、メダカの卵が水草にたくさん付いていました。素敵な発見をしましたね。

「この後、放課後教室があるんだ。楽しみ!」
 30名近い子供たちは学校に残って、多目的室で工作をするようです。児童館の先生が講師になって、工作を教えてくれる楽しいイベントです。子供たちのワクワクが止まりません。この企画も、地域の皆様、保護者の皆様の協力があって運営されているものです。いつもありがとうございます。

 午前中の不在時間を取り戻すように、たくさんの子供たちと関わることのできた下校のひとときでした。いやー、やはり子供たちと話している時間は楽しいですね。

2月13日(火曜日)

 「今朝は一面の銀世界。東京都にこれだけの雪が積もるのは久しぶりです。」という書き出しで「校長のつぶやき」を書いたのが、ちょうど一週間前の火曜日でした。一転して、本日は雲ひとつない見事な青空が広がり、春を思わせるような暖かい一日でした。
 しかし、三連休明けの本日は欠席の連絡がとても多く、学級閉鎖のクラスが3つも出てしまいました。先週のスタートも3クラスが学級閉鎖だったことを考えると、やはりこの時期特有の大きな寒暖差が影響していることは間違いありません。三寒四温、頭では理解していても、体がなかなか対応しきれないのが現状です。インフルエンザ等の感染性の病気も相変わらず流行しており、しばらくの間は油断禁物です。コロナ禍で培った経験を生かしながら、うがい・手洗い・消毒・換気等を心掛け、体調を万全に整えていきたいものです。

 さて、そのような欠席者が多い週始めではありましたが、もちろん元気なクラスもあります。中休みに校庭を見ると、長縄チャレンジに取り組んでいるクラスがありました。

「イチ!ニ!サン!…」
 みんなで声を出して数えているクラスがあります。これも長縄チャレンジの良いところです。声をそろえると、連帯感が増してきます。

「ドンマーイ!大丈夫、大丈夫!」
 誰かがミスをしても、前向きな声をかけている子供たちがいます。これも素敵ですね。プラスの言葉かけは自信につながります。

「いい、よく見ててね…。今っ!今っ!ここっ!」
 回っている縄の中に入るタイミングを、一生懸命教えている子もいます。友達にアドバイスをする姿が多く見られるのも、長縄チャレンジの特徴です。クラスの記録更新を実現するためには、全員のレベルアップが必要になります。だからこそ、子供たちは友達が上手に跳べるようになると、自分のことのように喜ぶのでしょうね。

 谷戸二小のみなさん、長縄チャレンジは始まったばかりです。今日の記録を少しでも超えられるように、クラスのみんなで力を合わせて頑張っていきましょう!


始まりました、長縄チャレンジ!みんな、がんばっています。

2月9日(金曜日)

 先週の金曜日の「校長のつぶやき」でも紹介させていただいた素敵なゲストティーチャーが、今週も谷戸第二小学校に来てくださいました。前回に続き、今回も3年生と1年生の教室で授業をしていただきました。優しくてお話が面白いゲストの先生に会うのを楽しみにしていた子もいたようです。
「〇〇先生は、今どこにいるのかな?ねえ、校長先生、知ってる?」
 廊下ですれ違う子に質問されました。捜索チームが出動しているくらい、子供たちはゲストの先生のことが大好きなようです。

 今日の午前中、私は出張だったため、授業を参観できたのは5時間目だけでした。しかし、1年生と一緒に、楽しい国語の授業を受けることができました。

 最初に、ゲストの先生は「たぬき」の出てくる歌や昔話のお話を始めました。その後は、ここから身近なところに棲んでいる「たぬき」の話や、「たぬき」を目撃したご自身の体験談なども話されました。1年生は国語で『たぬきの糸車』を勉強したこともあり、「たぬき」に関する興味は高まっています。ゲストの先生のお話が素晴らしいのは、いつの間にか本題への流れを作り出しているところです。もはや、すでに子供たちは引き込まれています。
 
 さあ、ここからがメインイベントです。化けるのが下手な「たぬき」が登場する『このつぎなあに』というお話の読み聞かせです。目の前に登場した大きな紙芝居に、子供たちのワクワクが高まります。そして、何よりも圧巻だったのは、ゲストの先生の素晴らしい読み聞かせです。登場人物ごとに声色を変え、場面ごとに声の大きさやスピードも変化します。臨場感の出し方が名人芸です。大人の私も圧倒されるほどの、本当に見事な読み聞かせでした。

 デジタル技術が隆盛の令和の時代ではありますが、人の声と紙芝居だけで、ここまで子供たちの心を釘づけにすることができるのかと、私は感動してしまいました。何よりも、ゲストの先生が子供たちと楽しそうに授業をしている姿が、強く印象に残りました。私も教師として、もっともっと授業力を高めていきたいと、改めて思うことができました。
 先週に引き続き、ゲストの先生には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

2月8日(木曜日)

 本日は、西東京市、そして東京都内の小中学校から、たくさんの先生たちが集まりました。谷戸第二小学校で研究発表会が開催されたからです。300名近くの方に、谷戸二小の授業の様子を参観していただきました。そして、全体会の会場である体育館では、本校の研究の取り組みについて発表させていただきました。

 

 『情報活用能力を生かし、伝える楽しさを実感できる児童の育成 ICTを活用した授業づくり』


 令和4年度、5年度の2年間、本校は西東京市の研究指定を受け、上記の研究主題の下で授業実践を積み重ねてきました。その実践の甲斐もあり、子供たちが一人一台端末(タブレット)を新しい文房具のように使いこなし、自分の考えを発信したり、友達の考えに共感したりする姿が、もはや日常的なものになってきました。私もそうですが、保護者の皆様や地域の皆様が小学生だった頃とは、全く異なる形の授業が繰り広げられています。

 もちろん、今までと変わらない授業スタイルもあります。教師がチョークで黒板に文字を書き、全体に向けて話をする場面は、今も変わらずにあります。しかし、タブレットの中で一斉に考えを表現したり、お互いの意見にコメントをしたり等、子供たち同士で伝え合う活動は、確実に活発になってきました。

「3年生の学習の中に、6年生の意見を取り入れたい。」

「4年◯組の活動を、隣のクラスと共有して、次の課題につなげたい。」

「5年生の総合的な学習の時間で作った作品を、多くの人に発信したい。」

 このように、他のクラスや学年と意見の交流をすることも、外部の人達に発信することも、今では簡単にできるようになってきました。タブレット等のICTを活用すれば、時間と空間を超えて、他者とかかわることも容易になります。この2年間の研究を通して、子供たちは情報活用能力を身に付け、新しい形のコミュニケーションを、それぞれの目的に応じて楽しむことができるようになってきました。これも、ひとつの研究実践の成果だと考えます。

 研究発表会は本日で終わりました。しかし、子供たちのために、より良い授業づくりを目指し、更なる実践を積み重ねていくことに関しては、永遠に終わりはありません。谷戸第二小学校の挑戦は、これからも続きます。

2月7日(水曜日)

 先週は暖かい日が続いていたのに対して、今週は大雪が降る等、寒い日が続きます。立春を境に真冬のような寒い日が多くなっているのは、何とも皮肉なことです。急激な気温の変化の影響もあるのでしょうか、発熱や風邪等、体調を崩している子が増えてきました。谷戸第二小学校でも、現在3つのクラスが学級閉鎖中という状況です。


 ただ、学級閉鎖中でも活躍しているものがあります。一人一台端末のタブレットです。GIGAスクールが始まって3年目。子供たちは学習の必須アイテムとして、それぞれの目的に応じながら効果的に使いこなしています。


 以前までは、学級閉鎖期間に入ってしまうと、担任がクラスの子供たちと連絡をとることは、ほとんどできませんでした。私も学級担任時代は、一人ひとりの家に電話をして、健康状況の確認等をしていました。また、学級閉鎖期間ではあっても、クラスには元気な子もいます。その子供たちにとっては、2、3日間、家でどのように過ごすのかが大きな問題です。


 そこでタブレットが活躍します。学級閉鎖期間中も、担任の先生が毎日「Google classroom」の中で連絡したり、課題を追加で出したりすることができるからです。学習アプリ「モノグサ」の課題も有効です。子供たちは自分のペースで進めたいタスクに取り組むことができ、担任はそれぞれの学習状況を離れた場所から確認できます。課題が足りない場合は、追加でタスクを送ることもできます。つまり、学校の教室は閉鎖されていても、電脳(仮想)空間の教室は健在ですので、そこで様々なやり取りが活発に行われている・・・というわけです。


 私も各クラスの「classroom」の様子を見させてもらうのですが、担任と子供たちの豊かなかかわりが見られます。先生が連絡を入れれば、子供たちがそれぞれコメントを返信しているところも微笑ましいです。


「◯◯先生。連絡ありがとうございました。」

「連絡見ました。雪、積もってますね。」

「先生、ぼくはずっと元気ですよ。」


 離れていても、誰かとつながっていることが実感できるのが、「classroom」の良さです。でも・・・、やっぱり直接会って、いっぱい話がしたくなりますね。学級閉鎖が終わったら、みなさんでたくさん話をして盛り上がってくださいね。

2月6日(火曜日)

 今朝は一面の銀世界。東京都にこれだけの雪が積もるのは久しぶりです。案の定、昨夜からのニュース番組は大雪の話題で持ち切りでした。雪に不慣れな東京にとっては、降雪があると交通機関や日常生活に大きな影響が生じてしまいます。昨晩の帰宅の際は、大変な苦労をされた方も多かったのではないでしょうか。雪国で生活している人たちから笑われてしまうかもしれませんが、私自身も通勤のことを考えると、気持ちが滅入ってしまいます・・・。

 しかし、やはり大人とは違う感性をもっているのでしょう。今朝の子供たちはテンションが高い様子で登校してきました。


「聞いて聞いて!家で雪だるまを作ったんだ。」

「私も作ったよ!校長先生の下半身くらいの大きな雪だるま!」

「ぼくは『かまくら』を作りました。」

「校長先生!昨日、〇〇君と雪合戦をして遊びました!」

「今日の休み時間は校庭で雪遊びをしたい!」


 昨日の午後から降り始めた雪は、子供たちが家に帰る頃には、地面を白く覆うほど積もりました。子供たちは友達やお家の人たちと一緒に久しぶりの雪遊びを楽しんだようです。興奮気味に話す子供たちの表情が、とても印象的でした。大人はウンザリしてしまう大雪ですが、なかなか雪を身近に感じることのできない東京の子供たちにとっては、貴重な遊び相手なのかもしれませんね。


 さてさて、大人の思いとは裏腹に、子供たちの雪への憧れは募るばかりです。何人もの子供たちが雪への思いを口にしていました。

「あー、もっと雪で遊びたいなあ。」

「今日もずっと雪が降ってほしいな。明日もずっと。」


 ・・・・・・。それはちょっと…。カンベンしてほしいです・・・。

2月5日(月曜日)

「みなさん、ユニセフ募金のご協力をありがとうございました。」


 今朝の全校朝会で、代表委員会の子供たちがユニセフ募金の報告をしました。昨年末から全校児童に呼びかけを始め、年明けの1月中旬頃に正門付近に立って、募金活動を実施しました。その後、代表委員会で集まったお金を集計し、今日の報告に至りました。


 谷戸二小では、代表委員会を中心に、毎年ユニセフ募金に取り組んでいます。年末までは例年と同じように計画を立て、事前準備を進めてきました。しかし、子供たちも私たちも想像していなかったことが、2024年の幕が開けたその日に起こりました。元日に発生した能登半島地震です。地震発生からひと月が経ち、少しずつ復興が進んでいるニュースも目にしますが、それでも被災地では、今も多くの方々が辛い環境での生活を続けています。震災によって大きな打撃を受けた人々の生活や地元の産業等が元の形に戻るには、まだまだ長い時間と継続的な支援が欠かせません。


 そこで、代表委員会を中心にこの件について話し合い、今回の募金で集まった金額の半分を、能登半島地震の義援金や支援金として送ることにしました。当初はユニセフ募金として集めたお金ですが、被災地のために少しでも力になりたいという子供たちの思いを尊重し、今回はこのような形をとることにしました。募金では、ご家庭や地域の方々にも多大なるご協力をいただきました。急な変更になってしまいましたが、どうぞご理解をいただければ幸いです。

 
 最後になりますが、代表委員会のみなさん。そして、募金にご協力いただきました皆様。この場をお借りして、御礼申し上げます。ありがとうございました。

2月2日(金曜日)

 昨日の「校長のつぶやき」で「春隣」について触れさせていただきましたが、今日は一転して、真冬のような寒い一日となりました。この時期はやはり油断禁物ですね。外出の際の装いにも気を付けなくてはいけない日々が、しばらく続きそうです。しかし、昨日も今日も変わらないのは、(これも昨日の「校長のつぶやき」の繰り返しになりますが…)校庭で遊んでいる子供たちの姿です。日差しが少なく、気温が低くなっても、子供たちにとっては、もはやどこ吹く風。元気いっぱいの楽しそうな光景が、昨日の再放送のように、本日も見られました。さすが「子供は風の子、元気な子」ですね。

 さて、今日は素敵なゲストティーチャーがお越しになり、3年生の3クラスで社会科の授業をしていただきました。ご持参いただいた数々の「昔の道具」を子供たちに見せていただいたのですが、その道具の用途を子供たちに想像させる場面が、とても面白かったです。

「なんか、『ひしゃく』みたいな道具だなぁ…。」
「お墓を洗う時に使ったやつだ!」
「お寺や神社にあるだね。」
「あれ?これも似てるけど…、なんだか味噌汁でも作る道具かな。」
「あっ!これは底が『ざる』みたいになっているから、野菜を洗う道具かもしれない。」

 ゲストの先生が紹介する道具は、全て柄が付いている道具です。『火のし』『ひしゃく』『なべ』『火起こし』『炭十能』。似ているようで、用途が全く異なるところが面白く、子供たちも興味津々でした。他にも、昔の『こたつ』や『炭火アイロン』等も、見せていただきました。私自身、炭を入れる昔の『こたつ』は見たことがなかったので、とても勉強になりました。また、『炭火アイロン』は空気穴の使い方で火が調節できることを説明していただき、子供たちも昔の道具に隠された様々な工夫に驚いているようでした。

 最後に、それらの道具の使い方を、ゲストの先生が楽しいお芝居を通して紹介してくれました。子供たちも「想像力」を大いに働かせ、昔の暮らしの様子を垣間見ることができたようです。電化製品の進化が著しい現代社会においては、『昔の道具』は逆に珍しく、新しいのかもしれませんね。子供たちの目がキラキラしていた社会科の授業でした。

2月1日(木曜日)

 「春隣」という言葉があります。「晩冬には寒さが緩む日が多く、春の訪れを感じることが多くなる。」という意味があり、「春が近い」ということを表す時にも用いられます。

 先日、朝の情報番組で「春隣」を紹介していた場面を見かけました。言われてみれば、ここ最近は、春の訪れを感じさせるような暖かい日差しが降り注いでいます。谷戸二小の中庭にある梅の木も、可憐な白い花を咲かせています。確かに春が近いのかもしれません。次の日曜日の2月4日は「立春」。暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が…という時候の挨拶も、今年に関していえば、暦の通り、春らしくなってくるのでしょうか。
 
 ただ、この感覚はあくまでも東京都で暮らしている私の感覚です。毎年、豪雪に悩まされている地域の方々にとっては、まだまだ長い冬が続いている状況だと思います。むしろ、満を持した冬将軍の襲来は、これからが本番なのかもしれません。何はともあれ、今日から2月に入りました。暖かい日もあるかもしれませんが、寒い日もまだまだあるでしょう。体調の崩しやすい季節でもあります。皆様もどうぞご自愛ください。

 しかし、大人の私たちの感覚とは別次元なのが、子供たちの元気な姿です。暑くても寒くても、友達と元気に走り回るその姿は、いつの時代も変わらないように思います。校庭を見れば、定番のサッカー、バスケットボール、ドッチボールを楽しんでいる子供たちがいます。また、おにごっこ、一輪車、タイヤ広場や石山で遊ぶ子供たちも多いです。冬になると増えてくるのが、縄とびや大縄で遊ぶ子供たちの姿でしょうか。子供たちにとっては、大寒も立春も関係なく、友達と一緒に遊ぶことが、ただただ楽しいのでしょうね。これからも元気いっぱい体を動かしていきましょう。

1月31日(水曜日)

 水曜日は最終下校時刻が他の日よりも早い関係で、昼休みがありません。給食の時間の後は掃除の時間になります。以前にも「校長のつぶやき」で書かせていただいたことがありますが、子供たちはみんなで力をあわせながら、いつも一生懸命掃除をしています。小さな体をテキパキと動かしながら頑張っている姿が、見ていてとても微笑ましいです。

 保健室から校長室、職員室の前の長い廊下は、2年生が担当してくれています。「ほうきチーム」と「ぞうきんチーム」に分かれて、絶妙なコンビネーションで掃除を進めています。この廊下掃除を初めて担当した年度当初は、ほうきとぞうきんのリズムが合わず、お互いに「あれ?」と不思議に思っているような姿も見られました。また、私が校長室で仕事をしていると、扉の向こうから、あの有名な言葉が聞こえてきたこともあります。
「先生に言うよー。」
 昭和時代から、学校でよく耳にする伝家の宝刀の言葉です。令和時代も変わらず現役で用いられています。さてさて、きっと掃除を進める上で、何かしらのトラブルがあったのでしょうね。それでも、自分たちで話し合って解決したり、時には先生に仲介してもらったりしながら、どんどん掃除が上手にできるようになってきました。今では、長い廊下の雑巾がけも立派に担当しています。頼もしい掃除の姿です。

 昇降口では、それぞれの学級が自分たちの靴箱を掃除しています。今日の掃除の時間、私が昇降口に行くと、たまたま私の近くに1年生と4年生の靴箱の掃除当番がいました。どの子も膝をついたり、身を屈めたりしながら、靴箱に溜まった砂や埃を小さなほうきでひとつひとつ丁寧に掃除していました。
 その時、一人の1年生が私に話しかけてきました。
「校長先生。あれ、すごいね。」
 その視線の先を見ると、5年生の子供たちが昇降口の床に置いてある「すのこ」を持ち上げて、「すのこ」の下を掃除していました。1年生の子供たちにとっては、自分たちの体よりもずっと大きい「すのこ」を持ち上げている5年生が格好良く見えたのでしょうね。
 
 一言で「掃除の時間」と言っても、その中には、子供たちの頑張る姿や、数々のドラマがたくさん見られます。そして、みんなで使う場所をみんなできれいにしようとする心の美しさがあります。授業の時間や休み時間だけでなく、このような「掃除の時間」を通しても、子供たちは大きく成長しています。
 
 谷戸二小のみなさん。いつも学校をきれいにしてくれて、どうもありがとう。

1月30日(火曜日)

「校長先生、見てください。ヘラクレスオオカブトです。」

 5年生の教室に行った時のことです。一人の男の子が声をかけてきました。見せてくれたのは、小さな紙で作った『ヘラクレスオオカブト』です。その完成度の高さに、私は驚きを隠せませんでした。信じられないほど、とても精巧に作られていたからです。もはや折り紙のレベルを完全に超越しています。

 さらに私を驚愕させたのは、その子の話の続きを聞いた時です。正直、私は耳を疑いました。
「付箋を正方形に切って、そこから作りました。」
 市販の折り紙のような大きさの紙ではなく、小さな付箋から、ベースとなる正方形を作ったそうです。そして、その一枚の正方形から『ヘラクレスオオカブト』の折り方を自分で工夫して編み出したとのこと…。折り紙が得意でない自分にとっては、その子の折り紙の技術は、もはや伝統工芸の職人さんの域に達しているように思えました。

 以前にも、「校長のつぶやき」の中で、3年生の女の子が折った鶴を紹介させていただきました。(10月13日掲載)その折り鶴も、指先ほどの大きさで精巧に作られていました。今日紹介した男の子の『ヘラクレスオオカブト』もそうですが、校内をまわっていると、子供たちは折り紙を使った作品をよく見せてくれます。どの作品も本当によくできていて、改めて子供たちの技術の高さに驚かされます。タブレット操作やキーボード入力等の技能と同様に、小さい頃から指先を使って細かい作業に慣れ親しんでおくと、大人になった時に何らかの仕事でその力を生かせるかもしれませんね。いや、きっと生かせそうな気がします。

 最後に、5年生の男の子が作った『ヘラクレスオオカブト』を添付させていただきます。どうぞご覧ください。


『ヘラクレスオオカブト』です。写真で見ても、驚きの完成度です。お見事!

1月29日(月曜日)

「うわーっ!大きな夏みかん!」
「それって、学校の夏みかんかな?」
 校長室の前を通る時に、何人もの子供たちが気付いてくれました。子供たちの言う通り、学校の昇降口付近にある夏みかんの木から、本日収穫したものです。枝や葉のついた状態で、校長室前の廊下に飾ってあります。近くに寄ると爽やかな柑橘系の香りが漂ってくるので、個人的にではありますが、何となく癒しの効果を実感しています。

 さて、午前中の収穫作業に話を戻します。収穫作業は背の高い私の得意分野です。今日は脚立にのぼって、60個以上収穫しました。しかし、私が手を伸ばしても届かないところにも、まだまだたくさんの夏みかんが残っています。高枝ばさみを使って収穫するか、あるいは2階のベランダから収穫するか…、悩むところです。

 谷戸二小の夏みかんは、給食でもゼリー等に姿を変えて登場します。子供たちも登下校の際にいつも目にしているということもあり、慣れ親しみのある果物です。そして、先週のことになりますが、4年生の子供たちが総合的な学習の時間の中で、「マーマレード」を作っていました。長文になってしまいそうなので、経緯等は省略させていただきますが、このマーマレード作りに使ったのも、谷戸二小の夏みかんです。やはり子供たちにとっては愛着がある木なのでしょうね。

「谷戸二小の夏みかんで、マーマレードがおいしくできました!」
「なんだか芋けんぴみたいにカチカチになっちゃったけど…、これはこれで美味しいかな。」

 グループごとにレシピを調べたので、調理の手順や砂糖の分量等は様々でした。しかし、谷戸二小の夏みかんを使ってマーマレードを作りたいという目的をクラスで共有し、実際に行動に移した点は、子供たちにとっても大きな経験値となったのではないでしょうか。何事も挑戦、何事も経験が大事です。その積み重ねが、それぞれの成長へとつながります。いつも子供たちを見守ってくれている夏みかんの木も、きっと喜んでいるでしょう。

 毎年たくさんの実を枝いっぱいにつけ、私たちに様々な恵みを与えてくれる夏みかんの木に、改めて感謝したいと思います。

1月26日(金曜日)

 昨日の続きです。

 今回の「YATO2 スポーツチャレンジ」のミッションは、『キャッチボール・サバイバル』の他にもあります。それは…

『3×3ショット(スリースリーショット)』

 バスケットボールのW杯予選を日本が自力で突破したことは、昨年大きな話題になりました。その際に、日本の強力な武器として世界に衝撃を与えたのが、「3点シュート」です。この『3×3ショット』は、「3点シュートを3人が連続で決める」というミッションです。1学期に実施した『5ショット』は、「フリースローを5人が連続で決める」というものでしたが、今回のミッションはそれよりも距離が長いこともあり、難易度は高くなっています。
 
 昨日の自主練習では、高学年の子も低学年の子も集まって、順番に「3点シュート」を練習していました。ゴールまでの距離感、力の入れ方、シュートの角度等、いろいろと試している様子でした。やはりパワーが足りなくて、ゴールまでなかなか届かない子もたくさんいましたが、友達と声を掛け合いながら、何度も粘り強く練習している姿には、見ていて微笑ましいものがありました。

 しばらくすると、ワーッと歓声が聞こえてきました。

「校長先生!3点シュート入りました!」
「私もさっきゴールを決めました!」

 1学期のイベントでも、見事にミッションを達成した女の子のチームです。複数の学年で構成されているチームですが、バスケ経験者が何名かいるので、シュートの成功率がとても高く、チームワークも抜群です。今回のミッション達成においては、最有力チームかもしれません。

 すると、次の瞬間、目線を隣のリングに向けると、空中に高く舞い上がったボールがひとつありました。会場にいた大勢の視線を集めながら、ボールは空中に大きく美しい弧を描いて…

スパッ!

 ボールはリングに触れることなく、心地よい音を立ててネットを揺らしました。見事な3点シュートです。こちらも、1学期にミッションを達成した6年生の男の子です。黙々とシュート練習に励んでいました。言葉は発せずとも、ミッション達成を目指す強い意志が、その姿から伝わってきました。

 さあ、「YATO2 スポーツチャレンジ」の本番は近いです。谷戸二小のみなさんのチャレンジを待っています。

1月25日(木曜日)

 昼休みのことです。体育館にいろいろな学年の子供たちが集まってきました。「YATO2 スポーツチャレンジ」の自主練習があるからです。

 「YATO2 スポーツチャレンジ」は、今年度に新しいプロジェクトとして始めたスポーツのイベントで、1学期には4回実施しました。校長発案のプロジェクトではありますが、その時は前期体育委員と連携しながら、イベントを盛り上げました。3学期は後期体育委員会と一緒に運営します。今日の昼休みは、そのイベントに向けた自主練習の時間として、体育館を開放しました。もちろん自由参加ですので、強制ではありません。チャレンジしたい子供たちがお互いに声を掛け合ってチームを作り、私が設定したミッションにチャレンジするというものです。ちなみに1学期は、バスケットボールのフリースローを5人が連続で決めるという「5ショット」がミッションでした。
 

 それでは、今回の「YATO2 スポーツチャレンジ」のミッションは何でしょうか。

 少し話が遡ります。大谷選手のグローブが届いたので、全校朝会で子供たちに大谷選手のメッセージを紹介したことは、一昨日の「校長のつぶやき」でも紹介させていただきました。そのメッセージには、「野球しようぜ!」という大谷選手の熱い思いが書かれていました。そこで、今回のミッションは、次のように決めさせていただきました。

『キャッチボール・サバイバル』

 1分間で、キャッチボールを何回続けられるかというものです。5人以上でチームを作って参加します。スタートから30秒間はエラーをしてもセーフですが、後半の30秒間は、ボールを落としたらそこでチャレンジ終了です。ドキドキハラハラのチャレンジです。

 今日の昼休みの練習では、1年生、2年生の子供たちもたくさん参加していました。おそらくキャッチボールの経験はほとんどないのでしょうが、その中でも友達と声を掛け合って楽しそうに練習していました。自然とコミュニケーションが生まれるところがスポーツの良さですね。

「はいっ!」「いくよっ!」「ナイスッ!」

 リズムよく声を出しながら、息の合ったキャッチボールを続ける2年生チームがありました。まるで内野がゲッツーをとるような見事な連携です。どうやら野球が得意なメンバーが集まって、チームをつくったようです。本番もがんばってくださいね。

 さて、今回の「YATO2 スポーツチャレンジ」では、『キャッチボール・サバイバル』の他にもミッションはあるのですが…、それは明日に続かせていただきます。(いつも長文になってしまい、すみません…。)

1月24日(水曜日)

「校長先生!自分で学習計画を立ててみました!」
 
 2年生の男の子が元気よく声をかけてきました。最初は「何のことだろう」と思ったのですが、その男の子がタブレットを開いて説明してくれたおかげで、私も全てを理解しました。つまり、学習アプリ『モノグサ』を使って、自分で学習計画を立てたということです。

 少し説明させていただきます。以前に私が自習用の課題として出した九九のタスクがあります。基本的には自習用なので、やる、やらないは、子供たちの自由です。宿題ではありませんが、自分の力を試したい、もっと伸ばしたいと思う子は、すすんで挑戦してくれています。

 話を戻します。その男の子は、自分の誕生日の前にタスクを完璧にクリアできるように、日付を設定して計画を立てたそうです。こうしておくと、アプリの中のAIが、その指定された期間から一日あたりの学習量を決定して、毎日課題を出してくれます。短期間でクリアをめざすと一日の学習量は多くなってしまいますが、ゆとりのある期間で設定しておくと、一日の学習量も少なくなるので、精神的な負荷は軽減されます。結果として、継続性をもって課題に取り組むことができます。

 もちろん、コツコツと長期的に取り組むよりも、一気に課題を片付けるのが好きな子もいるでしょう。そのため、一概に何が正解とは言えません。しかし、自分で学習のペース配分を決められ、それをアプリのAIが管理してくれるというのは、画期的な変化だと考えます。
 そして、何よりも私が驚いたことは、私も含め、担任の誰もが、その機能の使い方をその男の子に教えたことが無かった点です。低学年の場合は、担任が学習計画を立てることがほとんどですから。にもかかわらず、その男の子はサクサクと機能を使いこなしているわけです。不思議に思ったので、私は直接聞いてみました。

「お姉ちゃんが学習計画の立て方を教えてくれたの。」

 なるほど。納得しました。上級生のお姉さんも、きっとこの機能を使いこなしているのでしょうね。子供たちが新しいことを覚え、吸収するスピードは、私たち大人が考えるよりも、ずっと速いようです。

1月23日(火曜日)

 「世界一の選手」と聞いて、みなさんが思い浮かべる人は誰でしょうか。

 「世界一」と言っても、スポーツ界はもちろん、世の中には様々なジャンルがありますので、その数だけ「世界一」があるわけです。しかも、現代だけでなく、過去のレジェンド選手にまでその枠を広げれば、いよいよ本格的に悩んでしまいます。サッカーなら、ペレ、マラドーナ、ジダン、メッシ…。バスケットボールなら…、やはりマイケル・ジョーダンでしょうか。大人になれば、宴席等で盛り上がりそうな話題です。

 では、野球界であれば、誰でしょうか?ベーブ・ルース、王、ピート・ローズ、ボンズ、イチロー、トラウト…。ポジションや贔屓の球団によっても、意見がわかれるところだと思います。しかし、もしかすると、現時点においては、一人の人物に意見が集約されるかもしれません。もうお分かりだと思います。そうです。大谷翔平選手です。

 昨年度開催されたWBCでは、投打にわたる活躍で日本を優勝に導き、MVP(最優秀選手)に選ばれました。そして、その後に始まった2023年のMLB(メジャーリーグ)では、昨年度に続いて二刀流の輝きを放ち、ホームラン王まで獲得しました。その結果、MLBでもMVP(最優秀選手)に満票で選ばれたことは、みなさんもご承知の通りです。WBC、MLBの両方でMVPを史上初めて獲得した大谷選手は、現時点の野球界における「世界一の選手」と言っても過言ではないでしょう。

 なぜ「校長のつぶやき」に大谷選手の話題を書いているのかというと…、ニュースでも報じられているので、この件につきましてもご存知の方は多いと思いますが、大谷選手から谷戸第二小学校にグローブが3つ寄贈されたからです。昨日の全校朝会でそのことを全校児童に伝え、「野球しようぜ!」という大谷選手のメッセージも、私が代読させていただきました。

 現在、グローブは各教室を順番にまわっているところです。子供たちは実際にグローブを手に取ってみたり、大谷選手のメッセージを読んだりしています。

「校長先生!大谷選手のグローブは今どこの教室にあるんですか?」
「早くグローブにさわってみたいなあ。キャッチボールしたいなあ。」

 今か今かと待ち焦がれている子供たち。大谷選手のグローブに、谷戸第二小学校は大盛り上がりです。

 子供たちに笑顔と元気を、そして大きな夢を与えてくださった大谷選手に、心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。
 大谷選手、ありがとうございました!

1月22日(月曜日)

 一昨日の土曜学校公開日の続きです。この日は本校の道徳授業地区公開講座がありました。「道徳の授業の充実を図るとともに、保護者や地域の方々の参加のもと、家庭、地域社会、学校の連携による道徳教育の推進を図る」という目的の下、全学級で道徳の授業を実施しました。今年度は谷戸第二小学校が「コミュニティ・スクール」になった年ということで、「地域や社会とのつながり」をテーマに設定しました。「集団や社会との関わり」や「人との関わり」を扱う内容が多かったのは、このことに拠ります。

 そして、4時間目には、意見交換会「トークイベント」が体育館で行われました。ゲストには、本校の施設開放運営協議会の会長でもあり、学校運営協議会のコーディネーターでもあるTさんをお招きしました。20年以上も地域の子供たちのために力を尽くしてくださり、今も放課後教室や夏休みの野外映画会等の楽しい企画を担当してくださっている方です。会場の子供たちに尋ねたところ、それらのイベントに参加したことのある子はたくさんいました。
 ちなみに、このトークイベントには、保護者の方々だけでなく、4年生の子供たちも参加しました。4年生は総合的な学習の時間の中で、ふるさと探究学習に取り組んでいます。「自分たちの暮らす西東京市や地域をもっと良くしたい」「誰もが暮らしやすい町にしたい」という思いをもって、学習に取り組んでいます。そのため、地域で活躍されているゲストのTさんのお話にもとても興味があったようで、質問もたくさんしていました。

「今の活動を始められたきっかけは何ですか?」
「この地域にあってよかったものや、あったらいいなと思うものは何ですか。」
 
 事前に質問を準備してきた子もいて、中には行政レベルの鋭い質問もありましたが、ゲストのTさんは全ての質問を優しく受け止め、丁寧に答えてくださいました。また、子供たちが今まで取り組んできた活動内容に対しても、あたたかい言葉をいただくことができました。子供たちにとっては大いに励みになったと思います。ありがとうございました。
 また、このイベントには、たくさんの保護者の方々にもご参加いただきました。これからも学校では、家庭と地域と連携しながら道徳教育を推進し、子供たちの心を豊かに育てていきたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。

1月20日(土曜日)

 本日は土曜学校公開日であり、「大寒」でもありました。寒い中にも関わらず、たくさんの保護者の皆様にご来校いただき、子供たちの頑張っている様子をご参観いただくことができました。ありがとうございました。

「家庭科室でフリーマーケットをやっていまーす!」
 今にも雨が降りそうな寒空の下、6年生の男の子たちが正門や昇降口前で大きな声を出しています。その一生懸命な姿と元気な声に導かれるように、私も家庭科室に行ってみました。すると、大勢の保護者の方々や地域の方々が、お客様として6年生のフリーマーケットで買い物をされていました。大変な賑わいです。

「おもちゃ、本、子供用品、雑貨、いろいろありますよー。」
「輪投げゲームはいかがですか?一回10円です。」
お店のスタッフも、当然のことながら6年生です。役割分担も万全の体制で、どの子もそれぞれの持ち場で熱心に働いていました。現金を扱っている関係で、レジのような場所もありました。もちろん、そこにも6年生が配置されており、よく見るとタブレットを用いて売り上げを集計している子もいました。まるで本物の「商店」のようです。

 この取り組みは、6年生の総合的な学習の時間「世界の手助けプロジェクト」から生まれました。1学期の社会科見学で日本ユニセフ協会を訪れ、2学期には外国の方からお話を聞いたり、日本ユネスコ連盟の方からアジアの子供たちの日常を教えてもらったりしたことで、子供たちは国際社会についての理解を深めてきました。そして、世界の人たちのために、自分たちにできることについて考え、プロジェクトを進めてきました。フリーマーケットを開き、その収益金で寄附をしようというのが、本日の実践です。他にも、生活用品や雑貨等の物資を外国に送ろうという取り組みや、地域のお店や公共施設に活動のポスターを貼って、広く伝えようという取り組みもあります。

 家庭や地域から物資を集める、地域のお店や施設に営業に行く、駅前で募金活動をする、フリーマーケットで寄付金を集める…。谷戸二小としても初めての取り組みばかりですが、6年生の子供たちは全員で力をあわせながら、意欲的に行動しています。その姿がとても誇らしいです。これからも続く最高学年の果敢な挑戦を、私たち教職員も最後まで見守っていきたいと思います。

1月19日(金曜日)

「ユニセフ募金をお願いしまーす!」
 代表委員会を中心に始まったユニセフ募金。自分たちで制作した動画を水曜日に流すことで全校児童にお知らせをし、昨日から正門のところに担当の子供たちが並んで募金を呼び掛けています。お金の入った封筒を笑顔で代表委員に手渡す子もいれば、お家から預かったお金だからでしょうか、大事そうに募金箱に入れる子もいます。
「あっ!?用意したお金を家に忘れてきちゃった。明日もユニセフ募金、やってるかな?」
 大丈夫ですよ。明日は土曜学校公開日ですから、きっと代表委員会の皆さんが正門のところに立っていると思います。校長先生はいつも思いますが、困っている人たちのために、自分ができることをしようという皆さんの優しさや思いやりの心が、何よりも素敵だと思います。ありがとう。
 そして、ご家庭からもあたたかいご支援とご協力をいただき、感謝申し上げます。

 そして、今日はもうひとつ、お昼時のエピソードを書かせていただきます。

「イエーイ!ホタテだーっ!」
「ホタテおいしい!」

 再びホタテが給食に登場しました。12月にも紹介させていただきましたが、給食の中でホタテを食べて、みんなで生産者の方を応援しようという事業の一環です。北海道から届いたホタテはとても肉厚で、ホタテドリアの中でも圧倒的な存在感を放っていました。前回のホタテフライの時もそうでしたが、給食でこんなに美味しいホタテが食べられて幸せです。
「お正月にもホタテを食べたよ。お醤油をつけて食べたら美味しかったんだ。」
 給食の時間に各教室をまわっていると、こっそりホタテ情報を教えてくれる子がいました。子供たちの中にも、ホタテ人気が高まっているようです。ホタテファンクラブができる日は、意外と近いかも…?

1月18日(木曜日)

「我以外、皆、我が師なり」

 これは、作家の吉川英治さんが小説『宮本武蔵』の中で記した言葉です。剣豪の宮本武蔵の名言として、ご記憶されている方も多いと思います。武士として、剣の道に生きる剣豪として、さらなる高みを目指すために、武蔵は様々な人々の話に素直に耳を傾け、学び続けたと言われています。森羅万象、ありとあらゆるものから学ぶべきものがあるという武蔵の謙虚な姿勢は、今の時代を生きる私たちにも通じる大切な教えのように思います。「我以外、皆、我が師なり」は、私にとっても大好きな言葉です。

 さて、話は変わります。現在、校内書初め展が開催されています。授業中に教室をまわっていると、子供たちがクラスごとに列を整えながら、書初めの作品を熱心に鑑賞している場面に出会います。集中して鑑賞カードに気付いたことを記録している子、思わず感想が口からこぼれてしまう子、リアクションは十人十色ですが、共通しているのは、子供たちの視点で実によく鑑賞しているという点です。

「うわー!この字、大きくてカッコイイなあ。」
 高学年の毛筆の作品を見て、ビックリしている低学年の子がいました。1・2年生までは硬筆ですから、太く力強い文字に驚くのも無理はありませんね。

「〇〇君の字、ここのグッとはねているところがいいね。」
「〇〇ちゃんの字は全体のバランスが良くて、きれいだなあ。」
 とめ、はね、はらい等、友達の書いた字の良いところに気付き、書写の参考にしている子もいました。書初めは「お題」は同じでも、それぞれの個性や味が出るのが面白いところですね。子供たちもそのことに気付いているようでした。

「2年生でこんなに上手に書けるの?すごい!」
「あー、なつかしい。この書初め、自分も1年生の時に書いたなあ。」
 上級生あるあるですが、小さい学年の書初めを見ていると、ふと昔を思い出すようです。低学年の子のきれいな字を見て、昔の自分と比べているようにも見えました。

 校内書初め展を通して、子供たちは友達だけでなく、他学年からも良い刺激を受けたようです。今回の学びを、きっと今後の成長へと生かしてくれるでしょう。これも、「我以外、皆、我が師なり」ですね。

1月17日(水曜日)

 昨日の「校長のつぶやき」の続きです。昨日の1時間目に行った算数の授業について書かせていただきます。

 私が授業に入ることで察していた子もいたようですが、今回も「九九バトル」について授業をしました。「校長のつぶやき」でも何度か紹介させていただきましたが、「九九バトル」は私が担任時代に作ったオリジナルの教材です。毎年、2年生の九九の学習の際に時間をもらって授業をするのですが、今年度に関しては今回で4回目となります。

 1回目は、それぞれのクラスで授業を実施し、「九九バトル」の遊び方(学習の仕方)について説明をしました。ここで、子供たちにも実際に遊んで(学習して)もらう時間をとりました。

 2回目は、オンラインで「修行」というミッションについて説明をしました。「九九バトル」は対戦型のカードゲームです。ミッション内容は、10人の友達と対戦をするというものでしたが、子供たちは実に楽しそうに交流しながら取り組んでいました。(※修行を終えると、新しいカードをひとつゲットできます。)

 3回目も、オンラインで「マスターへの道」というミッションについて説明しました。これは、学習アプリ「モノグサ」を活用しながら、九九のタスクを11日間分クリアするというものでした。(※タスクを終えると、新しいカードをひとつゲットできます。)
 
 そして、今回が4回目、完結編です。「最後の挑戦」というミッションです。ここでも学習アプリ「モノグサ」が登場するのですが、大きく異なる点は、私が作成した九九の問題をクリアしなくてはならない点です。「5×7=□」のような問題は前回と同じですが、今回は「6×□=18」「□×7=63」のような問題も出てきます。「積」だけでなく、「かけられる数」も「かける数」も穴抜きになっているので、問題数は前回よりもはるかに多いです。しかも、AIが子供たちの理解度に応じてランダムに問題を出し続けてきます。つまり、問題制作者は校長で、出題管理は「モノグサ」のAIシステムということになります。この難易度の高いミッションこそが、「最後の挑戦」です。子供たちにとっても、相手に不足はないはずです。さあ、2年生の子供たち、いざ勝負!

 本日、子供たちの取組状況をデータで確認したところ、わずか1日で20回以上取り組んでいる子が何人もいました。九九のタスクは1回20問なので、400問以上の問題を取り組んだことになります。(ちなみに、現時点の最高記録は、41回でした。)子供たちのやる気は、いつも私たちを驚かせてくれます。子供たちって、すごいですね。

1月16日(火曜日)

「校長先生!今日の1時間目は何するの?」
「この前みたいに『九九バトル』?」
 登校時間、何人もの2年生の子供たちに声をかけられました。昨日、担任の先生たちから予告があったようですね。子供たちの言う通り、今日の1時間目は、2年生の教室で算数の授業をしました。

 オンラインで画面を共有しながら授業をしました。私自身の動きとしては、1組の教室から授業を開始し、途中で2組の教室に移動し、最後は3組の教室で授業を終えるという流れです。オンラインを活用すると、同じ時間帯で3クラスが一斉に学習できるので、とても便利です。GIGAスクールが始まって以降、このスタイルで授業をすることは時々あります。もちろん、従来の授業のように、先生がひとつの教室で授業を続けるというスタイルは、今もなお主流です。しかし、オンラインを活用するという選択肢が加わったことで、授業や学習スタイルの幅は確実に広がりました。
 昔であれば、学年全員が揃って授業を行うとなると、体育館等の広い場所を予約して実施するしかありませんでした。体育の授業や学校行事と重なる可能性もあるので、自分も担任時代は調整に苦労した経験があります。しかし、今はオンラインが学校教育の中に確実に定着しました。そのため、個々の机上で作業ができたり、学習ができたりするものは、オンラインを活用すると非常に効率よく授業を進めることができます。学習道具も自分の机からサッと取り出せますし、椅子に座ってメモをとることもできますからね。子供たちも慣れた教室環境で学習ができるので、全体的に落ち着いて取り組むことができます。それを象徴するかのように、今日の1時間目の2年生は、とても集中して学習していました。
 

 さて、本題に入りますが…、いつものように、この時点でかなり長文になってしまいました。本日の授業の内容につきましては、明日紹介させていただきます。

1月15日(月曜日)

 3学期になってから、給食の時間に大きな変化がありました。それは、班ごとに机を向かい合わせて食べるようになったことです。新型コロナウイルスが流行して以降、全員が前を向いて黙食をするというスタイルが長く続いていました。しかし、今年度から様々な規制が緩和されてきたこともあり、この年明けをきっかけに、給食の時間も以前のような形を取り入れることにしました。保護者の皆様、地域の皆様にとっては、馴染みのある給食の座席配置だと思います。しかし、コロナ禍が長く続いたために、5・6年生以外は、この形を経験したことはありませんでした。そのため、お互いの顔を見合いながら食べることに、最初は少し照れくさそうな子供たちの姿も見られました。しかし、そこは対応力と順応性の高い子供たちです。新しいフォーメーションにもすぐに慣れ、みんな嬉しそうに、そして楽しそうに給食を食べていました。


 ただ、何もかもをコロナ前に「戻す」というわけではありません。コロナ禍で培った経験やアイデアを生かしながら、その時々の状況や実態に応じて、弾力的に用いることが大切だと思います。本校では、儀式や全校朝会に「参集型」と「リモート型」を併用しているように、給食の時間も「前向きスタイル」と「向かい合いスタイル」を柔軟に取り入れていきます。友達と顔を向かい合わせながら食べる食事は楽しいですし、学級の雰囲気も明るくなります。しかし、インフルエンザ等が流行し始め、欠席者数が多くなった場合は、やはり「前向きスタイル」に切り替える必要もあるでしょう。要は、「これしかない」「こうあるべきだ」と、ひとつの考え方に固執するのではなく、状況を自分たちで考えながら柔軟に方法を選択することが大事です。それこそが、コロナ後の「新しい形」なのだと思います。コロナ禍は辛いことも多かったですが、考え方の「選択肢」が増えたことは、結果としてプラス材料にもなりました。災い転じて福となす。給食の時間がより豊かな時間となるように、各クラスでも先生と子供たちが一緒になって、「新しい形」を考えてほしいと思います。

1月11日(木曜日)

 体育館に行くと、5年生の子供たちが床に座って、ゆっくりと筆を動かしていました。表情も真剣そのものです。十数分前の中休みには、校庭で元気にボール遊びをしていた子供たちでしたが、しっかりと気持ちを切り替えて、この授業に臨んでいるようです。お察しの通り、これは毎年行われている伝統行事、「席書会」の様子です。

「うーん…。『希望の朝』の『の』が苦手だなあ…。」
 確かに、平仮名は難しいですね。曲線の部分が多いので、筆の使い方の難易度も上がります。でも、最後の「はらい」の部分は上手に書けていますよ。

「ああっ…。筆に力を入れたら、紙に穴が開いちゃった…。」
 おやおや、ちょっと墨が多かったのかな。筆に含ませる墨の量や力の加減を自分で調整しないといけないところも、デジタルでは実感できない、アナログの難しさですね。でも、その点も、自分の色や味が出て、面白いところですよ。

 さらに、会場をまわっていると、明らかに周囲とは一線を画する気迫を感じさせる男の子がいました。一画書いては呼吸を整え、また一画書いては全体のバランスを確認する等、その様子は一筆入魂。精神を研ぎ澄ませながら、無言で書き続けています。よく見ると、その子のそばには、お手本とは異なる一枚の紙が置いてありました。何か文字が書いてあったので、近くに行って、覗いてみました。
『超集中・全集中』
 自分に言い聞かせるために、席書会に臨む心構えを文字に表したようです。圧巻の集中力にも納得です。恐れ入りました。
 

 子供たちが書いた作品は、16日から始まる校内書初め展に向けて、各教室前等に展示する予定です。保護者の皆様、地域の皆様にも、ぜひご覧いただければと思います。

 最後になりますが、明日は午前と午後に出張があるため、私は学校を留守にします。そのため、「校長のつぶやき」はお休みさせていただきます。不定期の情報発信で恐縮ではございますが、ご承知おきいただければ幸いです。よろしくお願い致します。

1月10日(水曜日)

 新年ということもあり、子供たちが今年の目標(3学期の目標)を考えて、カードや用紙にまとめている場面を見かけました。教室の後方にも掲示してある教室が多いので、教室をまわっていると、つい見入ってしまいます。文章で書いている子もたくさんいるのですが、文字数の関係上、ここでは抜粋して紹介させていただきます。

「算数のテストで100点をとる。」
「漢字をきれいに書けるように頑張る。」
「『モノグサ』で漢字が合格できるようにする。」

 旗艦教科でもある国語や算数に関する目標は、例年と同じように多いです。しかし、今回特徴的だと思ったのは、学習アプリ『モノグサ』に関するものが少なくなかった点です。2学期から導入した『モノグサ』は、子供たちの学習環境にすっかり定着しました。AIが漢字の形や書き順を細かくチェックするので、子供たちも一画一画を意識して漢字を書くようになりました。「AIの判定をクリアしながら、漢字テストで高得点を目指す」という内容は、今までの目標にはなかったものです。子供たちの中から、新しい挑戦課題が誕生したと言えるでしょう。(事実、2学期の終業式では2年生の代表児童が、昨日行われた3学期の始業式では4年生の代表児童が、『モノグサ』の漢字や計算を頑張りたいことについて触れて発表していました。)

 次に、学習以外に関する目標も紹介します。

「今まで給食を残したことがないので、これからも残さずに食べる。」

 いいですね。強い気持ちが伝わってきます。好き嫌いなく、何でも食べられるようになると、自信がついてくるのかもしれませんね。私も給食は昔から残したことがないので、この子の目標には相乗りさせていただきます。一緒に食べ続けよう!

「家のおふろそうじをがんばる。」
「5分前行動を心がける。」
「友達とケンカをしたら、先にあやまる。」

 立派!みんな素敵です。「目標」は、まず口に出したり、文字に書いたりして、自分なりに宣言することから始まります。それが大きな第一歩です。2024年の子供たちの頑張りに、大いに期待しましょう!

1月9日(火曜日)

 今日は2024年の最初の登校日です。登校時間も授業時間も、元気いっぱいの新年の挨拶が子供たちから聞こえてきました。一年の始まりということで、子供たちも気合いが入っているのかもしれませんね。表情からも、それぞれの意気込みが伝わって来るようでした。

 しかし、2024年は、悲しいことに波乱の幕開けとなってしまいました。皆様もご存知の通り、石川県能登地方を震源とする「令和6年度能登半島地震」が、元日に発生したためです。激しい揺れと津波による被害は甚大で、家屋の倒壊やインフラ機能の切断が広範囲で確認される等、日常生活は一変してしまいました。
 本日の始業式では、能登半島地震について、子供たちに話をしました。今の小学生は、「東日本大震災」の後に生まれた子供たちばかりです。連日報道されている地震のニュースにより、大きな衝撃を受けている子供たちも多いのではないでしょうか。津波や土砂崩れの被害状況、町が倒壊している様子等は、子供たちにとって、おそらく映画やアニメ、ゲーム画面でしか目にしたことのない映像かもしれません。今回の地震がフィクションであれば、どれだけ多くの人が喜ぶでしょうか。しかし、悔しいことにも、悲しいことにも、能登半島地震は辛い「現実」として起こってしまいました。そして、今もまだ、多くの不安を強いられている被災地の方々の厳しい暮らしがあります。子供たちも、私たち大人も、今回の地震を決して対岸の火事と思うことなく、自然災害の恐ろしさや、それがもたらす被害の大きさについて、改めて正しく理解することが大切です。同時に、いざという時の備えについても、今一度見つめ直す必要があることを、私自身強く実感しました。

 本来であれば、この震災に関する内容を、学校だよりの巻頭言に書かせていただきたかったのですが、1月号は印刷や配布準備の関係で、昨年末に完成させていました。そのため、谷戸第二小学校のホームページの「校長のつぶやき」にて、記載させていただく形となりました。ご承知いただければ幸いです。

 結びになりますが、今回の震災によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますと共に、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。相次ぐ余震と風雪による寒さの中、不安が募る状況が続いておられますが、皆様の安全と、一日も早い復興をお祈りしております。

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