「あやまちすな 心しておりよ」
更新日:2017年2月20日
平成29年 2月20日(月曜日)
おはようございます。暖かく気持ちのよい朝です。今学期も、あとひと月と少しとなりました。
さて、今日は、むかしむかし、今から700年ほど前に書かれたお話をします。少しむずかしいかもしれませんが、しっかりと聞いてください。題名は、「高名の木登り」です。高名の木登りとは、木登りの名人という意味です。
あるとき、木登りの名人が、人を使って高い木の枝を切らせていました。名人は、枝切りの人が高いところで枝を切っているとき、だまってその仕事を見ていました。やがて、その人が枝切りを終わって、木をおりてきます。その様子もだまって名人は見守っています。そして、あと少しの高さまでおりたときに初めて、声をかけます。その言葉は、「あやまちすな。心しておりよ。」
「あやまちすな」は「まちがえないように」、「心しておりよ」は「気をつけておりなさい」ということです。
それを聞いていたこのお話を書いた方が、「こんな高さなら、とびおりることもできるのに、どうして今さらになって声をかけるのですか。」と聞きました。みなさんは、なんと答えたと思いますか。少し考えてください。 〜間〜 名人は、こう答えました。「高くて本当に危ない時には、人はだまっていても怖がり気をつけるものです。まちがいは、かんたんなところで、かならず起きるのです。」
後ろのメタセコイヤをふり返ってください。あの木のてっぺんにいるときは、誰だって怖いですね。だから気をつけます。(前を向きましょう。)本当に危ないのは、かんたんな高さになったときだっていうこと、わかる気がします。「ゆだん」にもにていますね。
このお話は、かんたんなときに、失敗やまちがいが起こるもの、だから、かんたんに思えることこそ気を抜かずにしっかりと行いなさい、と教えてくれています。
みなさんが、今の学年で過ごす時間も、おしまいのところにきました。「あやまちすな、心しておりよ。」の教えを心に、油断せずしっかり学習を進めてください。最後まで、よりよく、ケガなく、事故なく、そして意地悪やいじめなんかで、悲しい思いをする人がいないよう、3学期をしっかりと締めくくってください。